具体的には、中・低速域(40〜50km/h)からアクセルを半分くらい踏み込んだ時に、その効果を実感できるという試乗前のレクチャーがありました。確かに、パーシャルから普通に踏み込んだ時にモーターのアシストが加わり、「力強く」というよりも「よりスムーズに」背中をスッと押してくれるような加速感が得られます。
試乗コースには、かなり減速してから左に大きく曲がる直角コーナーのような状況がありましたが、こうしたコーナーでの低速からの立ち上がりもスムーズに感じられました。
「e-BOXER」は、309万9600円の「Advance」という1グレード。アイサイトはもちろん、居眠り検知やシートメモリー機能などを含む「ドライバーモニタリングシステム」、「車両接近通報装置」、先代XVにも搭載されていた燃費重視モードのエコクルーズコントロール、17インチ2ポットのフロントベンチレーテッドディスクなどを搭載。
モーター自体は、先代XVと型式もスペック(10kW/65Nm)も同じ。しかし、数値は変わらないものの、モーターの実力を先代XVよりも引き出せるようになったそうで、先代XVのニッケル水素から、三菱電機製のリチウムイオンバッテリーに進化するなど、ハイブリッドとしての実力は着実に高まっています。
強制的にモーター走行に切り替えるEVモードは用意されませんし、2.5Lエンジンほどの力強さまでには至っていませんが、街中や郊外路、もちろん高速道路までスムーズに走ってくれる「e-BOXER」。309万9600円という新型フォレスターで最も高い価格を付けていますが、装備も走りも考えると、かなり買い得感があり、4割というシェアは十分に頷けるものがあります。
(文/塚田勝弘 写真/塚田勝弘、SUBARU)