優先順位は「追い抜き」「最高速度」「ラップタイム」。SUPER FORMULAの新型車両「SF19」がシェイクダウン

SF19は現行車種SF14と同様、イタリアのダラーラアウトモビリ社が設計・制作を担当。SF14のコンセプトである「Quick & Light」を継承しつつ、安全基準をFIA2009年レベルからFIA2016年レベルへとアップデート。さらに空力を見直すことで、オーバーテイクしやすいマシンへと進化を遂げました。

ダラーラはハースF1マシンを製造する会社。そのためか、各所にF1の最新空力トレンドが散りばめられています。

まずドラッグ低減のため、全体的にボディの幅はシェイプされ、かなり細身な形状へと変更。

またグリップレベルを上げてオーバーテイクしやすいよう、フロントタイヤの幅を1cm広げています。これはタイヤサプライヤーである横浜ゴムからの提案とのことです。

仔細に見ると、フロントウイング先端はF1と同じU字型に湾曲しているほか、SF14では2枚だったフラップが、小型化されつつも3枚へと増加し、ドラッグを減らしつつダウンフォース量を増やしています。

フロントウイングの翼端板にはカモメ・ウイングと呼ばれるミニウイングを搭載するのも現在のトレンドです。

フロントサイドポッド前にはSF14には無かった大きなポッドウイングを備えられています。

ノーズ下のフロアフロントの両サイドにはトンネルが設置され、積極的にボディ下に空気を流すことで、リアディフューザーから大きなダウンフォースを得ることができます。これにより、先行するマシンの後ろについてもダウンフォースレベルが大きく変化しないそうです。

ウイングの翼端板には、FIA世界耐久選手権(WEC)に参戦するLMP1マシンのようなLEDリアランプを搭載し、雨のレースでの視認性を上げる工夫がなされました。