起死回生のZENT GR Supra、立川祐路選手が記録更新でポールポジションを獲得!【SUPER GT 2020】

●ヨコハマ、ダンロップが気を吐いた公式練習

7月に例年より3ヶ月遅れで開幕したスーパーGT2020シーズンの折返しとなる第4戦「FUJIMAKI GROUP MOTEGI GT 300km RACE」が、栃木県はツインリンクもてぎで開催されました。この日は朝から空を厚い雲が覆い、時折雨の降る難しい路面コンディションの1日となりました。

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予選Q1でトップタイムをマークした19号車

開催初日となる12日午前10時からは公式練習が行われ、GT500クラスではヨコハマタイヤを履く2台、#19 WedsSport ADVAN GR Supraと#16 Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT、そしてダンロップタイヤ装着で前戦鈴鹿でポールポジションを獲得するなど好調の#64 Modulo NSX-GTが3位までを独占。GT500クラス最大勢力のブリヂストンタイヤを向こうに回す結果となりました。

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Q1で2番手タイムをマークした64号車

そして迎えた公式予選。まず15台から半分の7台がノックアウトされるQ1は、非常に細かい雨が降りウェット宣言が出される中、全車がスリックタイヤで臨みました。ドライコンディションであれば翌日の決勝にむけてタイヤを温存するのがセオリーですが、雨脚が強くなり路面コンディションが悪化する前にタイムを出そうと、計測開始とともに全車がトラックになだれ込みます。

●滑りやすい路面が命運を分けたQ1

予選Q1では公式練習の勢いそのままに、19号車の宮田莉朋選手がトップタイムを記録、2番手には64号車の大津弘樹選手が入り、GT500ルーキーの2人がその速さを証明してみせます。また、HONDAのホームコースであるもてぎで、5台のNSX-GT全車がQ2進出を決め、NSX-GTの予選での速さがこの第4戦でも光りました。

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繰り上がりでQ2進出となった38号車

そしてこのQ1ではチェッカーフラッグ直前の最終周に、16号車笹原右京選手が90°コーナーでスリップからコースオフ、黄旗が提示されます。ここで最後の予選アタックをしていた3台のGT-R、#24 リアライズコーポレーション ADVAN GT-Rと#23 MOTUL AUTECH GT-R、そしてQ2進出となる7番手タイムをこの周でマークした#3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-Rが「黄旗中の減速義務違反」で当該周回のタイムを抹消されてしまいます。

16号車は計時10分経過により赤旗中断とならなかったのでそのままQ2進出、そして3号車が10番手に降格したことで#38 ZENT GR Supraが8番手に繰り上がり、Q2進出となりました。

●最多ポールポジション記録を更新!

GT300の予選Q2が終わる頃には細かい雨がさらに路面を濡らし、全車がQ2もスリックタイヤでトラックに向かったものの、38号車を除く7台がインラップでピットに戻りレインタイヤに交換します。そのまま単独でトラックに留まった38号車もその翌周にはやはりピットイン、この時点ですでに計時10分のうち5分が経過しており、この時点で勝負権を失ったかに見えました。

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他車より1周遅れでタイヤ交換した38号車

全車がレインタイヤに履き替え、ここから本格的にタイムアタックが始まると、残された時間の中で各車懸命にタイムを削っていきます。そして計測も残り1分を切った頃、1周遅れでコースインした38号車立川祐路選手が唯一43秒台となる1’43.878をマークし暫定首位に!

結局最終アタックでもこのタイムを上回るマシンは無く、38号車は今シーズン初、そして立川選手としては自己の持つGT500最多ポールポジション獲得回数を24回に伸ばしてのPP獲得となりました。

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38号車の立川祐路選手(左)と石浦宏明選手

フロントローとなる2番手には#17 KEIHIN NSX-GT、セカンドローには3番手#8 ARTA NSX-GT、4番手には#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraが入り、トップ4をブリヂストンタイヤ勢が独占する形となりました。

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フロントローとなる2番手には17号車
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予選3番手には8号車

スリックタイヤで調子の良かった19号車や64号車など、ヨコハマやダンロップが決勝ではどうやって巻き返してくるのか、非常に気になる決勝は13日13時スタートです。

(写真:吉見幸夫、H@ty 文:H@ty)