【新型フォレスター試乗】スバル独自のハイブリッド「e-BOXER」はバッテリーが大きく進化した

ラゲッジ床下に置かれたハイブリッド専用ユニットは、DC/DCコンバーター、インバーターを二階部分に置き、一階部分に角型リチウムイオン電池を並べるといった構成。巧みなレイアウトの各パーツを空冷する構造となっています。

 

旧型インプレッサなどのハイブリッドでは筒型ニッケル水素電池(公称電圧は約100V)を使っていましたが、新型フォレスターのe-BOXERでは角型リチウムイオン電池を並べることで公称電圧118.4Vを実現しています。駆動用モーターの最高出力こそ10kWと新旧で変わっていませんが、発進時などにおけるモーターアシストの力強さは電圧が高まったぶんだけ増えているということです。

さらに、低速トルクが必要となる悪路での発進時にはモーターアシスト領域を拡大しているというのも、クロスオーバーSUVのハイブリッドらしい部分。

具体的には「X-MODE」をオンにすると発進直後からモーターアシストを積極的に活用する制御になるといいます。レスポンスにすぐれ、回り始めから大きなトルクを発生できるモーターの特性を活かしたSUVらしいハイブリッドになっているのです。

「e-BOXER」というネーミングには、そうしたパフォーマンスアップを意識した電動パワートレインであるという思いが感じられます。

●スバル・フォレスター「アドバンス」 主要スペック
車両型式:5AA-SKE
全長:4625mm
全幅:1815mm
全高:1730mm(ルーフレール装着車)
ホイールベース:2670mm
車両重量:1660kg
乗車定員:5名
エンジン型式:FB20
エンジン形式:水平対向4気筒ガソリン直噴
総排気量:1995cc
最高出力:107kW(145PS)/6000rpm
最大トルク:188Nm(19.2kg-m)/4000rpm
変速装置:CVT
モーター型式:MA1
モーター形式:交流同期電動機
モーター最高出力:10kW (13.6PS)
モーター最大トルク:65Nm(6.6kg-m)
駆動用バッテリー:リチウムイオン電池
燃料消費率:18.6km/L (JC08モード)/14.0km/L(WLTCモード)
タイヤサイズ:225/55R18(サマータイヤ)
メーカー希望小売価格(税込):3,099,600円

(山本晋也)

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この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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