決勝日、天候は晴れ。風は弱く、決勝開始時の気温は23℃。絶好のレース日和だ。
[ラウンド・オブ・14]
Heat1 クリスチャン・ボルトン vs ミカ・ブラジョー
ボルトン選手、遅い機体をカバーする為、果敢な飛行をチャレンジするが、ターン9(2周目)に入る際、僅かに速く向きを速く変え始め、痛恨の2秒ペナルティ(機体の傾き:インコレクトレベル)を受け、1.01.306。ブラジョー選手はペナルティの2秒を差し引いても、よりも速い58.388で勝ち抜ける。
Heat2 二コラ・イワノフ vs マティアス・ドルダラー
先攻は地元のベテラン、イワノフ選手。アブダビで大きく損傷した機体を修復して挑んだが、ターン4でペナルティ(インコレクトレベル)を出し、1.01.582。後攻ドルダラー選手は手を緩める事無く、このラウンド最速の57.877で勝ち抜ける。
Heat3 ピート・マクロード vs 室屋義秀
先攻マクロード選手は199ノットの抜群のスタート・安定したフライト。だが垂直ターンがやや大きな印象で58.212を記録する。室屋選手はスタートでやや遅れを取ったが垂直ターンで挽回し、58.015で駆け抜ける。マクロード選手、室屋選手との直接対決は開幕戦に続き2連敗。
Heat4 フランソワ・ル・ボット vs マット・ホール
地元ル・ボット選手だが59.665と伸びない。後攻ホール選手は58.431で危なげなく勝ち上がる。
Heat5 ペトル・コプシュテイン vs ファン・ベラルデ
先攻は予選8位のコプシュテイン選手。7位とは0.11秒差で逆転チャンス…だが、今一伸びず59.013。後攻のベラルデ選手もタイムが帯びず58.625。途中、逆転を繰り返し僅差の勝負を制した。
Heat6 マルティン・ソンカ vs カービー・チャンブリス
予選がオーバーGによるDNFだったソンカ選手はタイムが伸びず、58.982。予選2位のチャンブリス選手が余裕の勝利かと思われたが、ゲート4でToo High! 競技中パイロン通過の際、パイロットのヘルメットがパイロンをより高く通過するとペナルティ(+2秒)を受けたのだ。チャンブリス選手はスラロームの際、機体の上下動が目立つ選手。昨年もこのペナルティを受けた数少ない1人。ここで悪い癖が出て1.00.995に沈む。
Heat7 ベン・マーフィー vs マイケル・グーリアン
ソンカ選手と同様DNFで最下位のマーフィー選手、59.042を記録する。グーリアン選手は前戦優勝の勢いを駆って57.875をマーク。ルーキーとの格の違いを見せつけ勝ち上がる。そして、 マーフィー選手のタイムはマクロード選手に及ばず、マクロード選手がファステストルーザーとして、ラウンド・オブ・8に生き残った。
ラウンド・オブ・14ではチャンブリス選手以外は予選上位の選手が勝ち上がった。決勝のコンディションは、各機予選より1秒程度遅い。フランス初開催となったエアレース、ラウンド・オブ・14を突破したのはミカ・ブラジョー選手だけであった。もう一人のフランス人、チャレンジャークラスに参加しているメラニー・アストル選手も4位。ペナルティの2秒が無ければ2度目の優勝だった。地元のプレッシャーを感じるのはどの国の選手も同じ様だ。
[ラウンド・オブ・8]
Heat8 マット・ホール vs ピート・マクロード
先攻ホール選手は57.708と後攻にプレッシャーを掛けるのに充分なタイムを刻む。マクロード選手は前のラウンドで敗れた室屋選手より上位だったホール選手に対し、追い込み過ぎたのかゲート4でインコレクトレベル(+2秒)を喫する。更に収集力が切れた様に、ゲート15でパイロンヒット(+3秒)を喫して5秒加算。1.05443で敗退。
Heat9 ミカ・ブラジョー vs 室屋義秀
ブラジョー選手と室屋選手の対戦は昨年のインディアナポリス以来2回目。ブラジョー選手、唯一のMXS-Rでスラロームを軽快に駆け抜け、58.494の好タイムを刻む。室屋選手は制限速度ぴったり(200ノット)という抜群のスタートから57.374とここまで最速タイムを刻んで勝ち上がる。
Heat10 ファン・ベラルデ vs マティアス・ドルダラー
先攻ベラルデ選手は57.886の好タイムでフィニッシュしたが、垂直ターンの際に垂直姿勢をとれておらず、ペナルティ(+1秒)となった。後攻ドルダラー選手は、着実に57.950を叩き出し、ファイナル4に進出する。
Heat11 マルティン・ソンカ vs マイケル・グーリアン
先攻ソンカ選手58.218とさほど伸びなかった。が、グーリアン選手も58.415と前ラウンドより大きくタイムを落とし、まさかの逆転負け(で、敗退かと思われた)