続いては、現在は大学で自動車工学を教える立場にいらっしゃる、貴島孝雄さんの登場です。山本健一さんが提唱していた「感性工学」を、学問として教えているそうです。
ご存知、Mr.ロードスターである貴島さんからは「ものづくりは、どういう志で作る」かを説いてもらいました。
「スポーツカーは、こう作るべき」というものは、じつは文字にしにくいという貴島さん。
スポーツカーには魅力的なスタイリングが必要です。そして操縦する楽しさがあること。それがマツダのスポーツカーの基本にあるものだといいます。
「RX-VISION」がどうなっていくのかにも、OBとして興味があるそうです。貴島さんが入社した1967年は、コスモスポーツがデビューした年でした。センセーショナルなデビューをいまでも覚えているそうです。
いまは「バーチャル」の時代です。SKYACTIVもコンピュータがあってこそできた技術です。マツダは、1970年代から操安性をコンピュータで解析するプログラムを導入していたそうです。
いっぽうで「人馬一体」という人間中心の発想を重視しないといけない。それを忘れてしまうと、感性性能が希薄化してしまいます。コンピュータ理論だけではだめ、それがもの作りにどれだけ活きているのかが重要で、貴島さんはその間をつなぐのは私だ、という意識で仕事を進めてきたそうです。