【ボルボ・XC40試乗】良好な使い勝手とエンジン・シャシーの能力が高いコンパクトSUV

安全性に関してはボルボ社の最重要課題だけあってぬかりは全くありません。クルマ・歩行者はもちろん、自転車・大型動物まで対応する自動ブレーキ等は、XC60やV90と同等システムを備えています。

後方自動ブレーキ(オートブレーキ機能付CTA)も備えました。これはリヤバンパー左右に設置したミリ波レーダーでボディ後方広範囲の人・クルマを検知して作動するもの。

使われ方としては、パーキングエリアやショッピングモールなどで駐車場にフロントから停めた後にバックで出る際などが想定されます。隣のクルマの陰で見えないところから出てくるクルマや人、自転車などを検知してアラーム作動、最終的には自動で停車まてしてくれるというものです。

インテリアは最大の特徴と言えるところです。前席のいたるところに収納エリアがセットされ、日常使うクルマとしての高いユーティリティが確保されています。

たとえばドア部分は低音用スピーカーを排除(ダッシュボード内に移動)して、ノートパソコンも入る巨大なポケットを設けました。

助手席前方には買い物袋を下げられる、いわゆるコンビニフックを装着しています。さらに、センターコンソール下部にはスマホ等を置いておけるための大きなトレーもセットしました。ここではiPHONE8やX系などで採用されている非接触型の充電にも対応しています。

搭載されるエンジンは2Lの新世代パワートレイン・ドライブEシリーズの直噴4気筒ターボです。

エンジン出力が異なる2タイプがラインナップされ、ベーシックな190psタイプはT4グレード、252psを発生するハイパワーバージョンはT5グレードに搭載されます。

実際に試乗してみるとまず気づくのは滑らかなエンジン出力の特性です。

今回試乗したのは252psのハイパワーバージョンの方ですが、高い回転でハイブーストをかけてパワーを絞り出すという性格ではなく、低回転から均等に太いトルクが盛ってある印象。滑らかな変速を見せる8速ATと相まって、アクセルペダルの微妙な踏み加減にしっかり対応するスムーズな加減速が可能になっています。

コーナーが連続するワインディングロードも走ってみました。まず感じるのはブレーキフィールの自然さです。コンパクトクラスとはいえ大柄なボディをもつSUVですが、やや強めのブレーキングを行っても大きくノーズダイブすることはなく、ごく自然に減速していきます。

またコーナリングでも視線をコーナーの出口に置いておけば、クセもなくさらりとコーナーをクリアしていきます。このとき高い車高を感じさせるロールの大きさなどは感じられません。逆にロールを抑え込むためにハイレートなスプリングを入れて乗り心地が悪くなっている、というわけでもありません。

通常走行時には柔らかすぎず硬すぎずという、街乗りSUVとしてベストバランスの非常に良い乗り心地を持ちながら、コーナリングも得意。かなり偏差値の高いシャシーなのです。

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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