80~90年代の日本車からグッドデザインを振り返るシリーズ。第33回は、トヨタの若者向け商品研究から生まれた、ふたりのための「全天候型オープン」に太鼓判です。
1987年の東京モーターショーに出品されたコンセプトカー「AXV-Ⅱ」。ガルウイングドアという特殊な機構をコンパクトカーに落とし込んだ提案は好評となり、3年後に量産型となって登場したのがセラです。
「テクノ・アート・フュージョン」を造形コンセプトとしたボディは、空力に加え、アールヌーボーの曲線美から着想した美しい水滴型。コンセプトカーに比べ、よりシンプルになった佇まいの理由がそこにあります。
ガルウイングを採用した「グラスキャビン」は、安易にロアボディと独立させるのではなく、Aピラーをボディ色とすることでカタマリ感を演出。スターレットベースのコンパクトボディに、さらに凝縮感を与えます。