「ダイソン」が2020年を目処に鋭意開発中のEV、最初の販売市場は日本に!?

昨年9月、EV(電気自動車)事業への参入を表明した英国の家電大手ダイソン社。

同社の創業者であるジェームズ・ダイソン氏が3月20日、日経新聞の取材に対し、自身が発明したサイクロン式掃除機が日本で最初に技術が認められて製品化した経緯を踏まえ、EVについても「日本が最初の市場になる可能性が有る」と述べたそうです。

このプロジェクトのため、アストンマーティン社などから技術者を引き抜き、3年前からEV開発に着手。既に400人規模で開発を進めているようで、掃除機やファンヒーターでお馴染みの同社ですが、EV開発は家電で培ったモーターやバッテリーに関するノウハウを組み合わせれば実現可能としています。

ダイソン氏がEV開発に乗り出した背景には深刻化する大気汚染問題への対応、中でもディーゼルエンジンが排出する有害物質を一掃したいという強い思いが有ったそうです。

同氏がダイソン社を創業する前、米国立労働安全衛生研究所の論文を偶然に目にしたことがその発端で、試作と検証を繰り返しながら自動車の排気システムに取り付ける粒子状物質捕集用サイクロンフィルターを開発。1993年までに実用化し、その原理は掃除機に利用したものとほぼ同じだったと言います。

AI(人工知能)関連の技術についても長年研究を続けており、2015年に発売したロボット掃除機「360アイ」には、360度の視界を持つパノラマレンズのカメラを搭載して「自動運転」を実現。リアルタイムに部屋の特徴を認識し、室内の位置関係を計算して地図を作製。これらの技術を全てEVに活用して行くそうです。

また、EV用のバッテリーには、リチウムイオンに対して発火の恐れの無い「全固体電池」の採用を予定しており、航続距離に直結する電池容量を拡大する模様。

2020年までにモーターとバッテリーというダイソンのコア技術を活用したEVを開発し、2021年からEVの量産を始めるそうで、同社の動きに世界の自動車各社から注目が集まっています。

Avanti Yasunori

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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