【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】第32回・「低く、長く、幅広く」を疑え! ホンダ シティ(初代)

80~90年代の日本車からグッドデザインを振り返るシリーズ。第32回は、既成のバランスにとらわれず、基本機能を純粋に追求した背高コンパクトに太鼓判です。

時代を反映した省資源・省エネという経済性を持ちつつ、パーソナルな交通手段としてまったく新しい価値観を提案したい ── 80年代の多様化を見据え、ミニバイクとセットという新機軸で登場したのが初代のシティです。

限られたサイズの中で最大の容積を求めれば「球体」になる、という考えのもと、既成のバランスにとらわれないトールボーイを採用。あえてウエッジさせなかったボディは端正ながら、全体としてはポップに演出されます。

低いボンネットと、ボディを上下に分けるキャラクターラインが背高のスタイルに安定感を表現。また、サイドモールと高さを揃えた前後ホイールアーチは、もともとシンプルなボディの要素をさらに整理しています。

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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