── 全体的に、角に丸みを持たせたのはなぜでしょうか?
「利用者アンケートでは、タクシーに求める要素としてまず気軽に乗れる「親しみやすさ」、2番目に先の「フォーマルさ」があります。その両立のため、いわゆるスピードシェイプではなく、全体は水平・垂直基調で「フォーマルさ」を、角の適度な丸みで「親しみやすさ」を狙ったのです」
── リアハッチはかなり寝ていますが、空間確保のためにはルーフを引いてハッチを立てる方がいいのでは?
「タクシーは駅や空港に多数並びますので、景観に威圧感や違和感を与えたくない。また、バックドアのヒンジ位置を前にすることで後ずさり量が減ります。タクシーが並んだときでもバックドアが使いやすくなる配慮ですね」
── 四角いグリルはトヨタ車の「キーンルック」「アンダープライオリティ」とは表現が異なりますね
「両者はTOYOTAブランドのデザインアイコンですが、全ての車種に採用するものではありません。各地域の市場状況や、各車両の特性・見え方に配慮して展開しています。多数並んでも違和感が少なく、どんな風景にも馴染むよう水平・垂直基調としました」
── 前後バンパーなどは容易に交換可能な形状、素材にする案はありませんでしたか?
「実はバンパーコーナーは前後とも3分割構成で、補修費を低く抑える効果があります。また、前後ランプともアウターレンズのみの交換が可能で、レンズ破損時の交換費用も低減しました。さらに、塗装は補修のしやすいソリッド色を標準設定しています」