「おもてなし」をカタチに。トヨタ JPN TAXIのデザインに込めた「心」とは?

── フロントドアは、スライドドア同様にプレスドアにするとボディの面一感が上がるのでは?

「運転席の視界を極力良くするため、細幅サッシュタイプのドアフレームとしました。また、フロントピラーの位置も煩わしさの少ない配置としています」

── テーマカラーを紺色としたのはなぜでしょう?

「ニューヨークのイエローキャブやロンドンのブラックキャブなどは、統一された独自の世界観を持ち合わせています。日本のタクシーも、アイコン化により魅力的なものとして印象づけたい。藍色は太古より使用され、江戸時代には歌川広重の「ヒロシゲブルー」、明治では外国人達が日本中にあふれる藍色を「JAPAN-BLUE」と称賛しました」

── 古くから日本を象徴する色と言えるわけですね。本日はありがとうございました

【語る人】
郷 武志(ごう たけし) 氏
トヨタ自動車株式会社 TCカンパニー デザイン部プロジェクトチーフデザイナー
1991年トヨタ自動車入社。先行開発などを経て、iQや現行ヴィッツの内装デザイン、欧州向けヤリス・ハイブリット外形デザインを担当。現行シエンタに続き、JPN TAXIではプロジェクトチーフデザイナー。現在、第2デザイン室室長兼務。

(インタビュー・すぎもと たかよし)

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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