【日産・セレナe-POWER試乗】100%電動車になってもラゲッジスペースに犠牲はなし

ノートe-POWERでは補機用の鉛バッテリーはラゲッジルームの床下に置かれていました。もし、セレナe-POWERでも同じ配置にしてしまうと、セレナの特徴である大きなラゲッジアンダースペースを失ってしまうことになります。ラゲッジボードを立てれば、ゴルフバッグが縦積みできるというユーティリティを犠牲にしてしまうのは、いくらe-POWERだからといって許されません。

そこでセレナe-POWERでは、鉛バッテリーをエンジンルームに置くことにトライ、見事に成功しました。フロントのエンジンフードを開けてみると、エンジンとインバーター・モーターがぎっしりと詰まっている中で、インバーターの前方に鉛バッテリーの置き場所を確保しているのが確認できます。

ちなみに、向かって左側には冷却水のリザーブタンクが2つ見えますが、ひとつはエンジン冷却用、もうひとつがインバーター冷却用となっています。とはいえ、ラジエターのレイアウトにはそれほど問題はなく、それよりも鉛バッテリーの配置に工夫を凝らしたといいます。まさに、セレナというミニバンにおいてe-POWERを実現するために、妥協できないポイントのひとつが鉛バッテリーの配置だったというわけです。

■日産 セレナe-POWER ハイウェイスターV 主要スペック
車両型式:DAA-HFC27
全長:4770mm
全幅:1740mm
全高:1865mm
ホイールベース:2860mm
車両重量:1760kg
乗車定員:7名
エンジン型式:HD12DE
エンジン形式:直列3気筒DOHC
総排気量:1198cc
最高出力:62kW(84PS)/6000rpm
最大トルク:103Nm(10.5kg-m)/3200-5200rpm
駆動モーター型式:EM57
駆動モーター形式:交流同期電動機
モーター最高出力:100kW(136PS)
モーター最大トルク:320Nm(32.6kg-m)
駆動バッテリー種類:リチウムイオン
駆動バッテリー総電力量:1.8kWh
最終減速比:7.388
燃料消費率:26.2km/L (JC08モード)
タイヤサイズ:195/65R15
メーカー希望小売価格(税込):3,404,160円

(写真:小林和久/門真 俊 文:山本晋也)

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この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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