100%電気駆動になった日産・セレナを公道試乗。1.2リッターでも不足ない加速性能と驚きの乗り心地

2018年3月1日より発売されている日産自動車の「セレナe-POWER」に公道試乗することができました。試乗コースは日産自動車本社周辺の横浜みなとみらい地区。高速道路は使わず、市街地走行で街乗りの実力を探ることにしましょう。

追加設定された「e-POWER」というのは、すでに日産・ノートにもラインナップしていますが、エンジンによって発電して、その電力を使ってタイヤをモーター駆動するという電動車両。分類でいうとシリーズハイブリッドになります。

Bセグメントのコンパクトカーであるノートよりもずっと大きくて重い(乗車人数も増えています)Mクラス・ミニバンのセレナに搭載された「e-POWER」システムは、なんと基本的にノートと同じ1.2リッター3気筒エンジン+リチウムイオンバッテリー+駆動モーターという組み合わせ。モーターの型式は「EM57」で同一、最終減速比も同じスペックとなっています。

エンジン車の常識でいうと、コンパクトカーとミニバンを同じパワートレインで動かすというのは無理筋に思いますが、電動車両にはそうした常識は通用しません。エンジンの出力を7%ほどアップ、さらにモーター制御のキモとなるインバーターをセレナe-POWER専用品とすることで、モーター出力を25%もアップしています。また、バッテリー総電力量を20%増とすることでエンジンをかけずにEV走行できる距離を伸ばしているのも進化のポイントです。

では、本当に走りに問題はないのでしょうか。e-POWERの特徴であるワンペダルドライブ(アクセルペダルだけで加減速がコントロールできる)を味わうべく、ドライブモードを「S(スマート)」にして、みなとみらいの市街地に繰り出します。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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