【テスラ・モデルX試乗】もっともクールな組み合わせ!? EVでSUVという意外性と、それを主張するエクステリア

テスラとえいば電気自動車に特化したメーカーとしてその存在を認識している方も多いと思います。そのテスラのラインアップのなかでSUVのスタイリングが与えられているのがモデルXです。

モデルXの最大の特徴はリヤドアにあります。フロントドアは普通のヒンジ式ドアですが、リヤドアはファルコンウイングと呼ばれるガルウイングが採用されています。通常のガルウイングは横に広いスペースがないと開閉が難しいですが、ファルコンウイングはルーフエッジに当たる部分が折れ曲がるので、わずか30cmの隙間があれば開閉が可能となってます。

 

ファルコンウイングはもちろんフロントドアやリヤハッチもリモコンで開閉できます。リモコンはモデルXをモチーフにしたミニカーのようなデザインで、直感的に操作することができます。

モデルXはベーシックな75Dと呼ばれるモデルが75kWhのバッテリーを搭載、今回試乗した100Dは中間グレードで搭載バッテリーは100kWhとなります。カタログ上の最高速度は250km/h、0→100km/hは4.9秒となっています。アクセルを床まで踏み込めば、瞬時に加速を始め天井知らずでどんどん速度を上げていくというエンジン車とは異なる異次元の加速を味わえます。

しかもエンジンのような雄叫びはなく、あくまで静かなまま“キーン”という高周波音を伴って加速していきます。

8個ものカメラが搭載され車両周囲を確認しながら行う自動運転は高いレベルを実現しています。試乗時に試せたのは追従型ACCと自動車線変更程度でしたが、自動駐車も可能。さらにリモコン操作による車庫入れも可能となっています。さらに進んだ自動運転も可能な実力を備えていますが、法規対応による制限も受けているとのことでした。

 

EVというとまじめで機能優先というイメージがありますが、テスラはデザインの斬新さや意外性を与えることで、EVの先進性をアピール。それが多くのユーザーに支持されているのです。

(文:諸星陽一/写真:小林和久)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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