【ジュネーブモーターショー2018】ジャガー初のEVであるSUV「I-PACE」を世界初公開

ジャガー初となるEVであり、新しいSUVでもあるエレクトリック・パフォーマンスSUV「I-PACE(アイ・ペイス)」がジュネーブモーターショーでの一般公開に先駆けてワールドプレミアされました。

「I-PACE」のデザインとエンジニアリングは英国で行われ、提携先のマグナ・シュタイヤー社のオーストリア・グラーツ工場で製造。今回の世界初公開イベントは、同製造工場から全世界に向けてライブ中継を通じて行われました。

「I-PACE」は、最新の安全装備をはじめ、サステイナブルなスポーツカーパフォーマンス、次世代の人工知能(AI)テクノロジー、そして5シートSUVの実用性を備えているうえに、ジャガーをEVマーケットの最前線に送り出すモデルとしています。

注目の蓄電池は、最先端の90kWhリチウムイオンバッテリーで、航続可能距離は480km(WLTPサイクル)。DC急速充電(100kW)を使うとわずか40分で0%から80%まで充電可能で、ACウォールボックス(7kW)を用いて家庭で充電する場合は、約10時間充電できるそうです。

パフォーマンスEVを謳うだけに走りにも注目。ジャガーが設計したという2つの電気モーターは各アクスルに配置され、小型化を追求するためにドライブシャフトが電気モーターを貫通。最高出力400PS/最大トルク696Nmというハイパフォーマンスを4WD駆動で路面に伝え、0-100km/h加速は4.8秒という俊足ぶり。

専用設計となるアルミニウム・アーキテクチャーは、先進的な接合技術を活用し、軽量かつ堅牢な車体構造を実現したとしていて、バッテリーパックの構造体と相まって、これまでのジャガーモデルよりも高いねじり剛性(36kNm/deg)が達成されています。

足まわりは、ダブルウィッシュボーン式フロントサスペンション、インテグラル・リンク式リヤサスペンションが標準で、オプションでエアサスペンションと「コンフィギュアラブル・アダプティブ・ダイナミクス」が設定され、俊敏なハンドリングと良好な乗り心地を両立しているそうです。

ほかにも、ジャガー初のインフォテインメント・システム「Touch Pro Duo」が採用され、タッチスクリーン、静電容量センサー、ロータリー・コントローラーによるシンプルなインターフェイスにより直感的な操作が可能。

さらにナビゲーションシステムは、目的地までの経路の地形と過去の走行履歴から得た運転のスタイルなどを分析し、高精度で個別の航続距離や充電状態を算出するそう。このシステムには、人工知能(AI)アルゴリズムによる「スマート・セッティング」技術が採用されています。

「I-PACE」の日本への導入時期や仕様などは未定ですが、導入が楽しみな一台です。

(塚田勝弘)

この記事の著者

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塚田勝弘

1997年3月 ステーションワゴン誌『アクティブビークル』、ミニバン専門誌『ミニバンFREX』の各編集部で編集に携わる。主にワゴン、ミニバン、SUVなどの新車記事を担当。2003年1月『ゲットナビ』編集部の乗り物記事担当。
車、カー用品、自転車などを担当。2005年4月独立し、フリーライター、エディターとして活動中。一般誌、自動車誌、WEB媒体などでミニバン、SUVの新車記事、ミニバンやSUVを使った「楽しみ方の提案」などの取材、執筆、編集を行っている。
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