【平成初期の名車列伝】2代目はお得!? マツダ・ロードスターNB系の中古車はバリューありすぎ

なぜNBロードスターが「安い」だけでなく「お得」と言えるのか? それは以下のようなメリットがあるからです。

まずはボディサイズ。昨今の拡大基調のモデルチェンジとは違い、NBはNAに対して全幅が5mm広がっただけで全長と全高は全く同じ数値です。

それでいてユーティリティは大幅にアップしています。例えばトランクルームは初代の124Lから144Lに拡大しました。


また室内のグローブボックスも拡大し4.2Lが6.3Lになりました。

初代ではグローブボックス以外の格納スペースはほぼ皆無でしたが、このNB型ではドアポケットやセンター部に小物入れが追加されています。

外観のデザインではリトラクタブルライトを固定ライトにしたことによって5.6Kgの軽量化を果たしました。ソフトトップ機構はガラスウィンドウを採用しつつ、骨組みの構造を見直して全体で1.3Kg軽量化しています。

エンジン関係では固定ライト化によって補機類の取り回し自由度がアップしました。これによりインマニ形状等の最適化が図られました。エアクリーナーの容量は4.6Lから6Lに拡大しています。

1800ccのECU・ROM容量は5倍になり、燃調コントロールがより精密になっています。また全エンジンでエキマニが4in1タイプからスロットルのツキが良くトルクも向上する形状の4in2タイプへと変更されています。

サス形式は基本的に同一の4輪ダブルウィッシュボーンですが、1800ccエンジン搭載車のサブフレームはクロスバーを追加して剛性を2.2倍に強化しました。

ボディは各部見直しで単体での高剛性化を実現。NA型・後期モデルで追加装備されていたブレースバーが不要になり、軽量化も実現しました。また衝突安全性能も飛躍的に大きく向上しています(そもそもモデルチェンジはこの安全性能を高めるためでした)。

……以上、改良ポイントの一部を挙げてみました。

つまりNB型とは、ボディサイズや排気量を拡大することなく、初代の良いところを受け継ぎつつ時代に即した進化を与えた「アップデート版」NA型なのです。

繰り返しますが、そんなNB型ロードスターが今ならバリュー価格で選び放題。例えば2001年に限定300台で販売された『MVリミテッド』のような特別仕様車を狙ってみるというのも面白いでしょう。

この記事の著者

ウナ丼 近影

ウナ丼

動画取材&編集、ライターをしています。車歴はシティ・ターボIIに始まり初代パンダ、ビートやキャトルに2CVなど。全部すげえ中古で大変な目に遭いました。現在はBMWの1シリーズ(F20)。
知人からは無難と言われますが当人は「乗って楽しいのに壊れないなんて!」と感嘆の日々。『STRUT/エンスーCARガイド』という名前の書籍出版社代表もしています。最近の刊行はサンバーやジムニー、S660関連など。
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