車中泊旅で最大の難関かも知れない停泊場所さがし:キャンピングカー生活の日常・その7【車中泊女子の全国縦断記】

年間を通してキャンピングカーに住んで放浪の旅をしていると言っても、走行距離は1年で1万キロくらい。Rocky21は燃費がよくないので走れば走るだけ出費がかさみますから、移動してばかりもいられません。

しかし滞在するとなるとしかるべき施設を利用することになり、それはそれでお金がかかります。今回は、その停泊場所をどう探し、どう選んでいるかについてです。

キャンピングカーが普及しはじめた十数年前から車中泊関連のウェブサイトが増えていますが、停泊場所は話題の的となっています。

宿泊費を安く抑えられるのがキャンピングカーの利点のひとつでもありますが、毎日キャンプ場を利用すれば経済的負担は大きくなります。かと言ってタダで停泊したいとなると、場所探しが困難。

北海道には無料のキャンプ場もありますが本州以南ではあまり見かけませんし、しかも無料キャンプ場は整備が行き届いておらず「肝試しスポット」と見まごう荒れようを呈しているところもあるので、事前の下調べは必須です。キャンパーの聖地となっている人気の無料キャンプ場をネットなどでピックアップしておくと便利でしょう。

高規格キャンプ場にはダンプステーション(汚水処理設備)を備えているところもあり、そのために利用することもあります。もちろんゴミ処理もできるし入浴施設・シャワー、コインランドリーもあるし、お洗濯物を堂々と天日干しできるのも魅力です。

ただし、そうそう頻繁に利用できる料金ではありません。筆者は〝お一人様〟ですからなおさらです。仲間と一緒であれば別ですが、一人でキャンプ場を利用するメリットは上記くらいのもので、外で調理もしないし食事も車内で済ませます。

前回もご紹介した【くるま旅クラブ】では、車中泊旅ファンには馴染み深い『RVパーク』『湯YOUパーク』に続いて、レストランなどお食事処の駐車場で車中泊できる『ぐるめパーク』、駅などの鉄道施設で車中泊ができる『とれいんパーク』、さらには民泊ならぬ『民パーク』などを提唱、提携施設も続々と増えています。

施設により利用料が異なり、またトイレ・ペット・電源・ゴミなどの対応も様々なので、あらかじめ把握しておく必要があります。詳しくは【くるま旅クラブ】公式サイトをご覧ください(リンクはこの記事の最後に掲載しています)。

上記提携施設ではなくても、個人的にお店と交渉してお食事処や入浴施設、コンビニなどでP泊させていただいたこともあります。もちろん、そのお店で入浴なりお買い物をすることが大前提です。

山陰地方に多い【ゆとりパーク】や東北地方に多い【ポケットパーク】などをはじめ、ダムや公園、海水浴場、大きな橋梁など、トイレがある駐車場は数多あります。ただ、治安の面で決してお勧めはできません。

また、近所の方などに「ここで停泊したいのですが」とお話すると「ここは危ないから、あそこがいいよ」などと教えてくれたりしますので、地域の方とコミュニケーションをとってみるのも大事です。いきなり「出て行け!」と怒られることは、まずありません。

逆にコッソリ停泊すると、見知らぬよそ者はすぐ分かりますから警察に通報されかねません。普通乗用車で車中泊をしていて職務質問を受けたという話はよく聞きます。やはり「ご挨拶」は大切ですね。

車中泊でネット検索するともっとも多くヒットするのが【道の駅】でしょう。しかし国土交通省管轄の公的施設である道の駅は、あくまでもドライバーが「休憩・仮眠」するための施設であり、車中泊を容認しているわけではありません。そして深刻なのがマナー問題です。

駐車場でテーブル・椅子などを出す、オーニングを広げる、テントを張る、寒い/暑いからと夜中でもエンジンまたは発電機を作動する、ゴミを放置する、ペットのフンを拾わない、などなどマナーの悪い方を実際によく目にします。

これはキャンピングカーに限らず車中泊全般、またバイク・自転車・徒歩旅も同様です。電話ボックスや身障者用トイレに寝袋で寝ている旅人も見たことがあります。よく「営業終了してから開店までだったら迷惑にならない」という意見を聞きますが、決めるのは施設の責任者・所有者ですので、最低限ひとこと断りを入れるのがマナーではないかなと思います。

【長時間の駐車/車中泊・テント泊お断り】の看板を掲げている道の駅もありますが、逆に早朝から開店しモーニングを提供するところも徐々に増えてきました。双方が相手を思いやり、歩み寄ってお互いにウィン・ウィンの関係になれればと願います。

次回はキャンピングカーの「水道」、給水と排水について解説します。

(松本しう周己)

【関連記事】

くるま旅クラブ公式サイト
http://www.kurumatabi.com

我が家=キャンピングカーについて:キャンピングカー生活の日常・その1【車中泊女子の全国縦断記】
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キャンピングカーの維持費はどれくらい?:キャンピングカー生活の日常・その2【車中泊女子の全国縦断記】
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キャンピングカーの光熱費ってどんなもの?:キャンピングカー生活の日常・その3【車中泊女子の全国縦断記】
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インターネット環境と通信費:キャンピングカー生活の日常・その4【車中泊女子の全国縦断記】
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車中泊旅の入浴場所さがし:キャンピングカー生活の日常・その6【車中泊女子の全国縦断記】
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この記事の著者

松本しう周己 近影

松本しう周己

高校は美術科を卒業し、印刷会社のデザイン部に就職するも2年足らずで退職してフリーターに。主にコンサート・イベント関係で全国を駆け回る。その後、なぜかウェブデザインの道へ。仕事としては車との接点はまったくないが旅行好きでドライブ好き、20年前から道の駅などで車中泊していた。
「ネットを通して仕事ができれば、どこにいても構わないのでは」と、2005年、ついにキャンピングカーを自宅兼仕事場としてしまった。根は機械オンチなため、日進月歩の日々。
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