雨さん&山本さんでも、ゼロヨンの敵はやっぱりウエット路面(泣)【OPTION 1983年4月号より】

オールラウンドパワー、L型ツインターボ熟成進む!
RSヤマモト スカイラインターボ
14秒52(ウエット)

最高速チャンピオン、RSヤマモトの最新鋭マシンが、このスカイライン・ツインターボだ。RSヤマモトは、豊富な知識と理論をふまえたキメ細かいチューニングによって、L型+キャブターボという難物を見事に昇華させた、実力No.1ターボチューナーである。そのRSヤマモトが当然のようにトライしてきたのが、ツインターボ化というわけだ。

ツインターボエンジンは、まず山本氏所有のスカイラインにテストとして搭載され、現在セッテキング中。しかし、テスト段階とはいえ同じ1.0kg/cm2のブースト圧で最高速290km/hをたたき出した、スペシャル・チューンド・シングルターボよりはるかに扱いやすいだけでなく、パワー的にも遜色ないレベルに達しているという。

エンジンはシングル同様、89mmボアの鍛造HKS製ピストンに、L28の79mmクランクを組み合わせた2947cc。内部は磨き上げられ、RSヤマモト独自の燃焼室形状とポート形状を持つ。

タービンはシングル版のエアリサーチT04から、KKK製K26/2470R/8・11を2基に変更。これを装着するEXマニは、鋼管製の複雑なタコ足タイプを設計、製作している。ウエイストゲートは現在、国産最大の容量を誇るHKSレース用を1基使用する。キャブレターは3連のソレックス44φ。HKS製のエアチャンバーは独自の加工が施されている。

一方、エキゾースト系はタービンから60φで出た2本のパイプをデフケースまでデュアルのまま伸ばし、そこで80φに集合させる新案を採用。ウエイストゲートからのバイパス管も46φという、極太のものを使っている。

このスカイラインはゼロヨン用として製作されたものではないが、シングルでも400psを発生するRSヤマモトのこと、ツインならば50psアップも夢ではない。さらに熟成されZに搭載されれば、その恐るべき実力を見せ付けることになるはずだ。

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やはり、ウェット路面でのゼロヨンは参考タイムにしかなりませんでしたね。が、この時代のゼロヨンKINGを奪取するべく仕上げられているスペシャルチューンドの2台です。さて、その結果は!?・・・また別の機会に!!

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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