小坂鉱山の専用鉄道として明治41年(1908年)に誕生したのが小坂鉄道。2002年に鉄道事業は終了して、いまは運行していませんが、線路や駅舎などは残され、いにしえの設備などを見学したり、ブルートレインの客車に宿泊するというレールパークになっているのです。
そして、ここには富士重工業の作った軌道モーターカー4両が動態保管されているのです。本来、小坂鉄道レールパークの営業期間は4月〜11月なのですが、特別に車庫に保管されている富士重工業製の軌道モーターカーを見学することができました。
いまでは鉄道車両事業から撤退しているSUBARUですが、改名前の富士重工業時代には宇都宮工場において気動車、客車、軌道モーターカーなど様々な車両を製造していました。小坂鉄道レールパークに保管されている軌道モーターカーというのは、保線作業用機械に分類されるものです。
黄色いボディに赤いペイントがキュートな、小型モーターカー「R105」、資材などを運でいた「TMC100」、そして排雪板を装備した「TMC200CS」。
TMC100は不動車も合わせると2両があるので、合計で4両の富士重工業製軌道モーターカーを見ることができるというわけです。また車両によっては動かしていることもあるので、富士重工業製の軌道モーターカーを気動車とした体験乗車もあり得るというから見逃せません。
いずれにしてもSUBARUブランドの四輪車しか知らないファンにとっては新鮮に思えます。本当に富士重工業製なのかと疑問に思っても、車体の見やすい場所に「富士重工業」のプレートが止められていますから、すぐに確認できるというわけ。プレートに描かれた「まるフ」マークもSUBARUの歴史を知る上では忘れられない存在ではないでしょうか。
周辺道路も整備されています。今回走った十和田湖からの道は気持ちのいいワインディングロードで、クルマとの対話も楽しめるドライブルートでした。東北自動車道・小坂ICからも3分程度とほど近く、交通の便に優れているのも魅力のひとつです。
(写真と文:山本晋也)