【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】第24回 ・80年代を模索したヨーロピアン・FFスポーツセダン。マツダ・カペラ(4代目)

絞り込んだフロントには、ヒット作5代目ファミリアに準じるシンプルな横桟グリル。横長ランプとの組み合わせがヨーロピアンな表情を作る一方、リアは大型のコンビランプと黒のガーニッシュが80年代を先取りします。

空力を意識した上級版のアルミホイールは、当時同社と関係の深かったベルトーネがカペラ専用にデザインしたもの。また、インテリアはセダンとクーペでメーターパネルを作り分けた意欲作です。

デザインチームは、のちにデザイン本部長としてユーノスブランドのロードスターや500を指揮した福田成徳氏を中心に、80年代のあるべきスタイルを模索したといいます。

生産技術との兼ね合いから妥協を強いられた部分があったものの、欧州で大ヒットとなったこのカペラからは、90年代の「ときめきのデザイン」を予感させるポテンシャルが垣間見られるのです。

●主要諸元 マツダ カペラ 4ドアセダン 2000GT-X(5MT)
形式 E-GCEP
全長4515mm×全幅1690mm×全高1410mm
車両重量 1035kg
ホイールベース 2510mm
エンジン 1998cc 直列4気筒OHC
出力 120ps/5500rpm 17.0kg-m/3000rpm

(すぎもと たかよし)

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すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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