【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】第23回 ・3つの「ワンダー」をコンパクトカーに。ホンダ・シビック(3代目)

一方、「5ドア」セダンを名乗るシャトルは強いRV感を避け、全長・全高をギリギリまで削減、独自のポジションを構築。ルーフまで回り込み、独立感を持たせたリアクオーターウインドウが軽快さと上級感を演出します。

3タイプはいずれもプレスドアを用いたプレーンな面で構成され、非常に端正な表現。また3ドアはガラスハッチ、4ドアはランプ周り、5ドアはクオーターガラスと、ブラックで後ろ姿を引き締めるのは共通のテーマです。

また、ボディ色と異なるグレー塗装のバンパー、平滑な面を丸く抜いた独自の質感をもつアルミホイール、高さを抑え視界を確保する機能的なインテリアが独自性を高めます。

3車種で別の骨格・ボディという異例の開発は、見る目と理解のある役員がいてのこと。しかし、想定ユーザーの異なる3ボディをひとつのシリーズとしてまとめたのは、当時勢いのあったホンダデザイナーの感性なのです。

●主要諸元 ホンダ シビック 3ドア 25i(5MT)
形式 E-AH
全長3810mm×全幅1630mm×全高1340mm
車両重量 815kg
ホイールベース 2380mm
エンジン 1488cc 直列4気筒SOHC12バルブ
出力 100ps/5800rpm 13.2kg-m/4000rpm

(すぎもと たかよし)

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
続きを見る
閉じる