自動運転車では「タイヤ」も進化!路面状況に合わせて「トレッド」が変化

未来のモビリティ社会で求められる、安全性能と環境性能を高い次元で両立するタイヤを開発するための技術開発コンセプト「SMART TYRE CONCEPT」を発表したダンロップタイヤでお馴染みの「住友ゴム工業」。

AIやIoTなどの技術革新で自動車産業を取り巻く環境が大きく変化するなか、同社は「SMART TYRE CONCEPT」において、これまでと一線を画す高い安全性能・高い環境性能を実現するタイヤ開発に取組んでいます。

その一つがウエット路面や凍結路面など路面状況の変化に反応して、タイヤが自らアクティブに機能を変化させることで、路面や気温に応じた最適な性能を発揮する技術「アクティブトレッド」。

同社は12月7日、この材料技術「アクティブトレッド」を採用したタイヤを2023年を目標に開発すると発表。通常のタイヤのほか、同社が実用化に向けて開発を進めている空気充填不要の「エアレスタイヤ」への適用も選択肢に入れているそうで、実現すれば雨天時や凍結路での走行時に威力を発揮することになります。

例えばタイヤのゴムが路面上の水を感知すると軟らかい材料に変化、タイヤが路面の凹凸に密着することで、人が運転しない自動運転車などでも安全に走れるようになると言います。

自動運転車では、クルマもタイヤもメンテナンスフリーで安心して使えるようにする必要が有ることから、米GOODYEAR社なども同様の研究を進めている模様。

住友ゴム工業では2020年にタイヤの新品時の性能を5年間維持する「性能持続技術」を採用したタイヤの量産を予定しているそうで、その後も「アクティブトレッド」に加え、2020年代後半には「SMART TYRE CONCEPT」の技術全てを採用した全く新しいタイヤを完成させることを目標に技術開発を進めているそうです。

このように自動運転技術の開発が加速するなか、唯一路面と接触している重要部品「タイヤ」についても、着々と進化に向けた準備が進んでいるようです。

Avanti Yasunori・画像:DUNLOP)

【関連リンク】

ダンロップタイヤ
http://tyre.dunlop.co.jp/

SMART TYRE CONCEPT
http://www.srigroup.co.jp/newsrelease/2017/sri/2017_121.html

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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