交通環境の複雑な「市街地」での自動運転実現に向け、ホンダが海外企業との共同研究を加速

ホンダは昨年7月21日にソフトバンクとAI(人工知能)分野で共同研究を開始すると発表、同年12月には完全自動運転の実用化を目指す米Waymo(ウェイモ)社との自動運転技術領域の共同研究に向けた検討をスタートさせています。

その後、同社は今年1月に米ネバダ州ラスベガス市で開催された世界最大の家電見本市「CES2017」において、人とのコミュニケーションができる「AI」(人工知能)を搭載したEVコンセプトカー「NeuV(ニューヴィー)」をワールドプレミア。

「NeuV」にはソフトバンクグループ傘下のcocoro SBが開発したAI技術「感情エンジン」を搭載。ドライバーの表情や声の調子からストレス状況を判断して安全運転をサポートするなど、自動運転技術とAIによって拡がるモビリティの可能性を追求したEVコンセプトモデルとなっていました。

そして同社は今回、12月7日に研究開発子会社「本田技術研究所」が、香港に本社を置きAI技術に強みを持つ「SenseTime」社と、5年間に渡る自動運転のAI技術に関する共同研究開発契約を締結したと発表。

共同研究開発では、「SenseTime」社がもつ「移動体認識技術」と、ホンダが持つ「シーン理解」「リスク予測」「行動計画」といったAIアルゴリズムを融合することにより、複雑な交通環境の市街地での走行を可能にする高度な自動運転技術実現を目指すそうです。

ちなみに、両社による共同研究開発の領域は以下となっています。

・自動運転システムへ適用するAIアルゴリズム
シーン理解…走行環境と歩行者や車両の振る舞い・意図を推定
リスク予測…「シーン理解」に基づく歩行者・車両の将来位置予測
行動計画…「リスク予測」に基づき、自車の走行軌道を生成

・AIアルゴリズムを学習するための大規模計算技術
・AIプログラムを車載コントローラーへ実装する技術

共同研究開発の領域は自動運転のみならず、今後ロボティクスにも拡大していくそうで、これからも多くのイノベーションを創出することで、全ての人に「生活の可能性が拡がる喜び」を提供し続けるべく尽力して行くとしています。

このようにホンダは自前主義に拘らず、交通が複雑な市街地でも通用する、より高度な自動運転技術実現に向けて積極的な動きを見せていることから、今後の同社の動きが大いに注目されます。

Avanti Yasunori・画像:HONDA)

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Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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