1982年スキャットDRAGレース、雨の第1戦&熱き第2戦、注目のエントリーマシンをご紹介! 後編【OPTION1982年6月号・8月号より】

オートショップひたちスカG 14.992秒
あのワークスRが復活!?

ついにスキャットDRAGにあのニッサンワークスGT-Rが登場?と思わせたのが、このオートショップいたちのスカイラインだ。

エンジンはS20ならぬL型2947cc。76度カムとソレックス50φをセットしたオリジナルチューンだ。ミッションはレース用オプション1、デフは3.545を組む。注目のボディはいかにもワークスRらしく仕上げられている。軽量化も車重1032kgとかなりのもの。タイムは14.992秒とG3の8位に終わったが、楽しみなマシンだ。

坂本オート・ドラッグZ 11.832秒
LY型3.1L+ニトロは400ps以上!?

ベースの240Zボディは徹底的に軽量化され、わずか750kgしかない。カウルはFRP製だ。エンジンも車内にはみ出すほど、後方マウントされ、前後重量配分は55対45と理想的なバランスである。

エンジンは日産オプションのLY型、通称R390。クロスフローヘッドで、スポーツコーナーにも7〜8基しかストックのない貴重なヘッドだ。チューニングはスリーテックで行われ、クランクシャフトをLD28型83mmストロークに変更し、2868ccから3090ccへスケールアップ。これにNOS製N2Oインジェクションを併用する。

L型6気筒N2Oはセッティングが難しいが、ベンチで煮詰められ6000rpmあたりから爆発的なパワーを発揮する。400ps以上は確実という国内最強のL型だ。ファイナルは5.134。この速さは驚異的だ。超軽量とはいえ、フロントエンジンのZがスタートでウィリーするシーンにはド肝を抜かれる。気候や路面などのコンディションがベストなら、10秒台に突入するのも夢ではないかもしれない。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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