東京モーターショーに出展されるコンセプトカーから、各社注目車をピックアップ。担当デザイナー氏に速攻インタビューを試みました。第5回はマツダVISION COUPEです。
── はじめに。今回提示された「魂動」第2章の考え方について教えてください
「SHINARIの表現から一歩進むために、日本人が考える引き算の美学、要素を集約することで強さを出すデザインを考えました。これは新型CX-5よりもさらに先の考え方です」
── たとえば、特徴的なボディサイドのラインは見当たりませんね
「アート・オブ・ライトと呼んでいますが、線ではなくボディに映り込む光をコントロールすることで、情緒やエレガントさまでを表現したい。クルマを1周して見ると、常に光が変化することが分かってもらえると思います」
── ボディとキャビンの比率はどのように考えていますか?
「今回はプロポーションとフォルム、エレメントという3要素を同時に考えることにチャレンジしました。非常に難しいことですが、だからこそどこから見てもプロポーションや光の動き、エレメントに1本の軸がとおっている」
── 一方、ノーズの表現には非常にシャープなものがありますね
「クルマは単体ではなく人とのつながりもある。そこには、そのクルマの世界観を感じさせるリアルな雰囲気も必要です。単にシンプルだけではダメなんですね」
── 滑らかさの表現としてプレスドアを使うような手法ではなく、たとえばAピラーの細さなどはかなり繊細なイメージです
「スティールメタルを叩き出したような見せ方ですね。ピラーなどは、少し崩しを入れたような微妙なバランスの取り方によって、スピード感やエレガントさを出しています」
── このテーマはデミオからCXー8など、ラインナップ全体に反映することは可能ですか?
「R360クーペなど、今回はマツダのクーペの歴史の中での提案と考えています。繊細だけど力強い、日本人だけがキャッチできるような表現を見てもらいたいですね」
── 本日はありがとうございました。
(語る人)
マツダ株式会社
デザイン本部 アドバンスデザインスタジオ
クリエイティブデザインエキスパート
岩尾典史 氏
(インタビュー:すぎもと たかよし)
【関連リンク】
【東京モーターショー2017コンセプトカー・デザイン速攻インタビュー】
第1回「トヨタ Tj CRUISER」
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第2回「ダイハツ COMPAGNO」
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第3回「三菱 e-EVOLUTION CONCEPT」
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