東京モーターショーに出展されるコンセプトカーから、各社注目車をピックアップ。担当デザイナー氏に速攻インタビューを試みました。第3回は三菱e-EVOLUTION CONCEPTです。
── はじめに、バギー風デザインにはどんなテーマがあったのでしょうか?
「EVのハイパフォーマンスカーを考える中で、よりライトウエイトな方向を目指そうと。そのためオーバーハングを極限まで詰め、地上高を上げて大径タイヤを履く、というスタイルにたどり着きました」
── フロントフェイスは三菱らしい表現に加えて、大胆な通気口が目立ちます
「三菱のダイナミックシールドを基本に、下部への空気はブレーキへ、サイドはホイールハウスで整流することを目的としています。空力のために風を逃がすのではなく、ボディに取り入れつつ性能値を上げる実験です」
── ボディサイドでは、彫刻刀で削ったようなキャラクターラインが特徴的です
「三菱のボディサイド面の考え方として、金属を削ぎ落としたような、重量感を持たせつつソリッドなカタマリ感を出しています。鉄板ではなく無垢のカタマリですね」
── リアピラーをカットした表現の意図は?
「これもフロント同様、風を入れて整流できないかという試みですね。もちろん、デザイン上のノイズにならないよう配慮しています」
── ボディやドアのカットラインは、前後に突き出したような勢いがあります
「ハイパフォーマンスカーとして前後両端をグッと張り出す勢いが欲しい。一方で、サイドボディ下端を切り上げることで軽さと動きを出し、かつてのライトウエイトスポーツのようなイメージを狙っています」
── やはり、軽快なパフォーマンスカーを意識した結果ですか?
「はい。最近は安全性能の向上もあり、サイドシルを外に張ったボディが増えました。今回はシルをサイドガード部分に統合させ、その分ボディ全体をタイトにまとめることで、まったく新しい世界観ができたと思います」
── 本日はありがとうございました。
(語る人)
三菱自動車工業株式会社
常務執行役員 デザイン本部長
國本恒博 氏
(インタビュー:すぎもと たかよし)
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【東京モーターショー2017コンセプトカー・デザイン速攻インタビュー】
第1回「トヨタ Tj CRUISER」
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