トヨタのお家芸たるHVでは、4台の展示車両に注目です。1台目は伝統のV12エンジンからV8ハイブリッドユニットに換装した「センチュリー」が、3代目の市販予定車として出展。歴代センチュリーが備えていた威厳ある存在感が、どのように進化・継承しているかが見所となっています。
2台目はバンとSUVを融合した新ジャンルの「Tjクルーザー」。「T」はTool、「j」はjoyを意味するクルーザーですから、使う人のアイディア次第、実用にも遊びにも使えるマルチなデザインと室内の使い勝手が魅力。こういう思い切り使い倒せるクルマが少なくなってきましたから、是非とも市販して欲しいですネ。
3台目はトヨタ86をベースにした「GR HVスポーツコンセプト」。WECを戦うTS050からレース用パワーユニット「THS-R」を移植したモデルで、メカの詳細は明らかになっていませんが、水平対向エンジンとの組み合わせと予想。次期トヨタ86がHV化するのか否か、大いに気になるところです。
4台目はまさに市販目前、14代目を襲名する予定の「クラウンコンセプト」に注目です。FR用TNGAを採用して、ニュルブルクリンクで走り込んで鍛えてきたというのですから、欧州プレミアムカーと真っ向勝負するというトヨタの気迫を感じます。また日本伝統のおもてなしを宿した「ロイヤル」と走りの性能を追求した「アスリート」が、どういう仕上がりになるのか期待大です。
EVでは「コンセプト 愛i」と銘打って、3台のコンセプトカーを出展。人工知能とEVを組合わせ、人に寄り添うクルマをコンセプトとしているとのこと。純然たるコンセプトカーですが、単なるEVでおさまらないあたりに、燃料電池とHVを主軸に置くトヨタの次世代戦略が、読み取れると思います。
(星崎 俊浩)
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