ちなみに「TNGA」は「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー」の頭文字を取ったワードで、新世代メカニズムの呼称と思われがちですが、広義では組織や意思決定プロセス、サプライヤーとの協力体制、設計や実験、性能指標、「いいクルマ」の定義といったトヨタの企業そのもののアーキテクチャーを意味しています。
これまでの開発においては、技術もプロセスも部分最適の傾向が否めませんでした。そこで新型カムリの開発陣は「TNGA」によって開発を進めるにあたり、技術的なメカニズムの性能アップだけでなく、プロセスを含めた総合的な最適化を目指しました。そして技術とプロセスの両面で、部分最適と全体最適を高次元で実現するべく、組織横断的な取り組みが精力的に行われていったのです。
具体的には例えば、慎重さが信条の生産技術側から「とにかくカッコイイクルマにしましょう」と積極的な提案があったとのこと。筆者は、こういう熱い思いの積み重ねが、”いいクルマの源”だと信じていますヨ。
勝又CEの「自分の30年近いトヨタ人生において、生産技術からサプライヤーまでこれほど積極的に”やりましょう”と言ってもらえたことはない。こんな千載一遇のチャンスに中途半端なものをつくっては、末代までの恥でしょう。」という自信に満ちたコメントからも、新型カムリの高いポテンシャルが伺えると思います。
(星崎 俊浩)
【関連リンク】
第556弾新型カムリのすべて(より深く知りたい方はこちらがオススメ)
http://3a.as-books.jp/books/info.php?no=NMS20170805