太陽が水平線に沈んでしまっても、すぐには真っ暗になりません。この薄明るい状態を「薄暮」といい、最近ではマジックアワーと呼ばれて空が美しい色になる時間帯と言われてSNSなどに写真がアップされています。
実は、この美しい薄暮の時間こそが死亡事故を多発させる魔の時間なのです。日没後でもまだ明るさが残っているためドライバーは明るいと錯覚しがちです。しかし、この錯覚によって歩行者を見落とし、死亡事故の原因となってしまうのです。
これを防ぐためにドライバーができることは「早めにヘッドライトを点灯する」ことです。ヘッドライトの点灯は視界の確保だけでなく、歩行者にクルマの存在を知らせる手段でもあります。また、歩行者も明るく目立ちやすい色の服を選んで、ドライバーに存在をアピールすることも大切です。
最近では日没の30分前を目安に早めにヘッドライトを点灯する「おもいやりライト運動」が展開されています。ちょっとした気遣いで痛ましい交通事故が防げるのですから、すぐにでも実行したいですね。
(萩原文博)