他県民は要注意!? 地方に存在する「ご当地交通ルール」を調べてみた

■地方には独自の交通ルールや運転マナーがある

日本各地には「ご当地交通ルール」と呼ばれる地方独自の「ローカルルール」が存在している
日本各地には「ご当地交通ルール」と呼ばれる地方独自の「ローカルルール」が存在している

道路交通法とは、道路における危険を防止し、そのほか交通の安全と円滑を図り、および道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする法律。

日本の道路を運転する場合は、「道路交通法」を遵守する必要があります。

しかし、日本各地には「ご当地交通ルール」と呼ばれたりもする地方独自の交通の習性的な動き、「ローカルルール」(ルールとまで言って良いものではないと思われますがここではあえてこう呼んでおきます)も存在するようです。そしてこれらご当地交通ルールのなかには、道路交通法ではアウトなものも……。

4月から地方に転勤になった、引っ越しをしたという人は、住んでいる地域にご当地ルールが存在するのかどうか一度確認しておくと良いかもしれません。

今回は、主要なご当地交通ルールを紹介していきます。繰り返しになりますが「暗黙の了解」的なルールであり、道路交通法では違反となるものもありますのでご注意ください。

●知名度がかなり高い、愛知県「名古屋走り」!

全国的にもっとも知名度が高いであろうご当地交通ルール「名古屋走り」
全国的にもっとも知名度が高いであろうご当地交通ルール「名古屋走り」

全国的にもっとも知名度が高いであろう「名古屋走り」。

名古屋走りは、愛知県の名古屋市やその周辺でみられる、運転マナーの悪さを表す総称とされています。たとえば、信号無視や車線変更禁止場所での車線変更、強引な割り込みなどが挙げられます。

テレビや新聞などのメディアが取り上げることも多々あり、愛知県の交通事故件数が多い原因のひとつともいわれています。

当然ながら、信号無視や車線変更禁止場所での車線変更、強引な割り込みのいずれも、道路交通法上では禁止されている危険な行為です。

なかには、クルマ1台分の車間距離が空いていれば強引に割り込んでくることもあるそうなので、名古屋で運転する際は頭にいれておく必要がありそうです。

初めて名古屋を運転した人のなかには、「二度と名古屋では運転したくない」と感じる人もいるそうです…

●実は違反行為。長野県「松本走り」

長野県には「松本走り」や「松本ルール」と呼ばれるご当地交通ルールが存在する
長野県には「松本走り」や「松本ルール」と呼ばれるご当地交通ルールが存在する

長野県には「松本走り」や「松本ルール」と呼ばれるご当地交通ルールが存在します。

松本走りとは、長野県松本市で10年以上前から指摘されているもので、左折する対向車に合わせて右折するほか、ウインカーを出さずに進路変更する、後方確認を怠るといった行為をさします。

かつて松本市は城下町であったため、道幅が狭かったり込み入った道が多かったりする道路事情で、ご当地ルールが生まれた背景にあるといわれています。

当然ながら松本走りは、道路交通法上で違反とされる危険な運転行為です。松本走りが横行したことにより、かつては右折時の交通事故が急増した時期もありました。

「対向車がとろとろしてたら、先に右折しても問題ないのでは?」と感じる人もいるかもしれませんが、道路交通法第37条にて「交差点で右折する場合において、当該交差点において直進し、又は左折しようとする車両等があるときは、当該車両等の進行妨害をしてはならない」と定められており、松本走りは違反行為に該当します。

左折する対向車と同時に右折すると、死角となって直進してくるクルマやバイクに激突してしまう可能性もあります。ほかにも、ウインカーを出さずに進路変更することや後方確認をしないことも、長野県では問題視されています。

●青信号に変わった瞬間にゴー!「茨城ダッシュ」

茨城県には「茨城ダッシュ」と呼ばれるご当地交通ルールが存在する
茨城県には「茨城ダッシュ」と呼ばれるご当地交通ルールが存在する

さらに茨城県には「茨城ダッシュ」と呼ばれるご当地交通ルールが存在します。青信号に変わった瞬間、先頭のクルマが対向車よりも早く強引に右折する行為をさします。

松本走り同様、道路交通法上で禁止されており、クルマの左側をすり抜けてくるバイクや、対向車の隣で停止しているバイクを認知しづらく、事故になってしまうケースもあるようです。

また対向車としても、強引に右折してくることを予測できず衝突してしまう危険があります。

このような事態を鑑みて、茨城県警は、茨城ダッシュをするドライバーに積極的に注意喚起を呼びかけています。道路交通法上では、「交差点右左折方法違反」「交差点優先者妨害違反」「信号無視(赤色等)」の3つに該当するといわれています。普通自動車の場合は、それぞれ4000円、6000円、9000円の反則金が科せられます。


今回ご紹介した地方独自のご当地交通ルールは、道路交通法上では違反となる危険行為になります。日本の道路を運転する際に守らなければいけないのは、あくまでも道路交通法になるので曖昧にならないように注意しないといけませんよ。

(鈴木 僚太[ピーコックブルー])

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