ワークスチューニング・グループは、NISMO(日産)、TRD(トヨタ)、無限(ホンダ)、STI(スバル)といったメーカー直系のレーシングテクノロジーを市販車のチューニングに展開している4社が、共同で行なっている活動です。
今回、そのワークスチューニンググループが「日本のニュルブルクリンク」とも呼ばれる群馬サイクルスポーツセンター(「群サイ」の愛称でも知られています)にて合同試乗会を開催しました。荒れた路面とアップダウンの激しいコーナーの続くタイトなワインディングを模したコースで、各社自慢のデモカーの実力をアピールしようというわけです。
その中で最速マシンだったのは、ニスモが持ち込んだGT-Rでキマリです。といっても、ベース車は2008年式で最新マシンではありません。
しかし、そこには意味があります。発売から10周年となるR35・GT-R、その初期モデルをニスモの手によってアップデートすることで現代的な乗り味にアップデート、安心して乗れるようソフィスティケートしようという提案なのです。
大きな変更点は、パワートレイン(エンジン・トランスミッション)とエアロダイナミクス、そしてシャシーになります。パワートレインについては基本的にオーバーホールが中心で、エンジンはGT3マシンのカムや2011年モデルのターボチャージャーを流用してパンチアップした「S1」仕様となっているのが特徴。トランスミッションの制御は2017年モデル並みにバージョンアップされ、市街地走行でのなめらかさも向上させているといいます。まさに、長くGT-Rに乗っていきたいと考えるオーナーにピッタリのメニューといえます。
とはいえ、けっして安いものではありません。11月頃に正式発表されるパワートレインのコンバージョンキットのコストはウン100万円クラスになるのは確実。ただし、ニスモ大森ファクトリーにて施工されるといいますから、そのストーリーも含めれば、十分な価値があるのは間違いありません。