タイヤ・ホイールは2017年モデルのGT-R NISMO(カタログモデル)から流用。足回りも2017年モデルのパーツを利用してバージョンアップしています。初期型では、いかにもスポーツカーらしい硬質な乗り味でしたが、ニスモの手によってアップデートされたデモカーの乗り味はマイルド。荒れた路面の群サイでも不満を感じるシーンはありません。だからといってパフォーマンスを犠牲にしているわけでもないのが、ワークスチューンたる所以でしょう。
その限界性能を伝えるべく、ニスモはアンバサダーのミハエル・クルムさんの同乗走行を用意していました。コースに飛び込むと「せまい、せまいね」と言いながらアクセルを踏み込むミハエル・クルムさん。スピードメーターの針はみるみる上昇して、短いストレートで180km/hに迫ろうとするのです。
それでもニスモが仕上げたGT-Rに乗っていると不安はありません。重量級ボディもしっかりと減速しますし、タイトコーナーもラインがはらむことなく軽快に曲がっていきます。
ニスモチューンのGT-Rが持つポテンシャルはアマチュアドライバーでは到底たどり着けない高みにあることを、しみじみ感じさせられました。