【ワークスチューニング試乗会】最速マシンは10年落ち!? ニスモ渾身のR35・GT-R用アップデートプログラム

タイヤ・ホイールは2017年モデルのGT-R NISMO(カタログモデル)から流用。足回りも2017年モデルのパーツを利用してバージョンアップしています。初期型では、いかにもスポーツカーらしい硬質な乗り味でしたが、ニスモの手によってアップデートされたデモカーの乗り味はマイルド。荒れた路面の群サイでも不満を感じるシーンはありません。だからといってパフォーマンスを犠牲にしているわけでもないのが、ワークスチューンたる所以でしょう。

その限界性能を伝えるべく、ニスモはアンバサダーのミハエル・クルムさんの同乗走行を用意していました。コースに飛び込むと「せまい、せまいね」と言いながらアクセルを踏み込むミハエル・クルムさん。スピードメーターの針はみるみる上昇して、短いストレートで180km/hに迫ろうとするのです。

それでもニスモが仕上げたGT-Rに乗っていると不安はありません。重量級ボディもしっかりと減速しますし、タイトコーナーもラインがはらむことなく軽快に曲がっていきます。

ニスモチューンのGT-Rが持つポテンシャルはアマチュアドライバーでは到底たどり着けない高みにあることを、しみじみ感じさせられました。

この記事の著者

山本晋也 近影

山本晋也

日産スカイラインGT-Rやホンダ・ドリームCB750FOURと同じ年に誕生。20世紀に自動車メディア界に飛び込み、2010年代後半からは自動車コラムニストとして活動しています。モビリティの未来に興味津々ですが、昔から「歴史は繰り返す」というように過去と未来をつなぐ視点から自動車業界を俯瞰的に見ることを意識しています。
個人ブログ『クルマのミライ NEWS』でも情報発信中。2019年に大型二輪免許を取得、リターンライダーとして二輪の魅力を再発見している日々です。
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