【フランクフルトモーターショー2017】ドイツ「ZF」が中国のインターネットグループ「百度」と戦略的提携に合意

ドイツで2年に一度開催される世界最大級の自動車ショー、「IAA2017(通称、フランクフルト・モーターショー)」。今週金曜日(15日)からの一般公開に先立ち、今日12日に報道機関向けの「プレスデイ」で開幕しました。

各社が新製品・技術のお披露目を行う中、地元ドイツの大手自動車用システムサプライヤー、ZF社が行った記者会見では、同社が中国のインターネット企業「百度(バイドゥ)」と業務提携を結んだことが発表されました。CEOのシュテファン・ゾンマー博士によれば、今回の契約は主に中国市場向けの運転支援/自動運転分野での広範囲なソリューション開発を目指すものだそうです。

具体的には、ZFがnVIDIA社と共同開発した車両制御技術「ZF ProAI」を、一方の百度は高解像度地図などのキーテクノロジーをそれぞれ持ち寄って開発を進め、中国における新たなビジネスモデルの創出を目指していくとの事です。

死亡事故と車両からの排出ガスをゼロにするという「ビジョン・ゼロ」の実現を目指すZFは、「ビジョンゼロ・エコシステム」と呼ぶコンセプトのもと、これまでも独自の専門性をもった有力企業との提携を発表してきました。ゾンマーCEOによれば、「現代の自動車技術開発にはスピードが非常に重要」との事です。

半導体メーカーnVIDIA、予防安全および自立走行に必要なLIDAR技術に強みをもつIbeo Automotive Systemsなどに加え、今回新たにの百度との協業を発表したZF。スピード感のある進化による「ビジョン・ゼロ」の実現が、現在同社が目指している方向の様です。

新たに中国にも「エコシステム」のネットワークを広げたZF。テクノロジーの進化が、交通事故を起こさせない、排気ガスを出さないクルマを手に入れられる社会を一日も早く実現してくれることを期待したいところです。

(Toru Ishikawa)