EVに乗ってみたいけれど、「ウチのマンションにはEV充電器がないから無理」と諦めている皆さんに朗報です。
日産自動車が、NEC・大京アステージとタッグを組んで「分譲済みマンションにEV充電器を設置する実証プロジェクト」を開始します。3社はEV普及の壁になっている、既存の分譲済みマンションにEV充電器を設置するのが難しいという問題を解決する新たなスキームを構築することを目指しています。
今回の実証プロジェクトでは、大京アステージが管理する首都圏の分譲済みマンションから対象物件を選定し、管理組合の合意を得たうえで実証プロジェクトが立案したスキームを実施し、その実効性を検証するということです。
経済産業省が 2016年3月に公表した「EV・PHV(プラグインハイブリッド自動車)ロードマップ」では、2020年に国内のEV・PHV保有台数を最大100万台とすることが目標に掲げられています。この目標を達成するには国民の約4割が居住しているマンションなどの集合住宅の駐車場にEV充電器の設置を進めることが不可欠ですが、現状では既存のマンション駐車場にEV充電器を設置することは、なかなか進んでいないのが実情です。
そこで、今回のプロジェクトで3社が実証するスキームでは、新しく「日産リーフ」を購入したユーザーが居住するマンションの駐車場へ普通EV充電器を初期費用実質負担ゼロで設置できるようにします。プロジェクトに参加する「日産リーフ」のユーザーは、月々のサービス基本料と電気料金のみでEV充電器が利用できることになります。
同時に、マンション管理組合にも新たな費用負担も発生せず、さらに、管理規約の改定や理事会、総会の調整は大京アステージがサポートしてくれます。
このプロジェクトで設置されるEV充電システムはNECのEVクラウドと連携しているので、マンション管理組合はEV充電器の各利用者毎の使用電力量を容易に計測、充電時間に応じて正確な課金を行うことができ、利用者側も安心してEV充電システムを使うことができます。
プロジェクトでの3社の主な役割は以下の通りです。
・日産/日産販売会社
1.マンション居住者へのEV、新型「日産リーフ」の販売
2.EV充電器設置支援金の拠出
・NEC
1.EV充電器の設置、運用・保守
2.EVクラウドによる充電設備の遠隔管理
・大京アステージ
1.管理組合に対する、EV充電器設置の提案
2.管理組合および居住者からの、本スキームに関する問い合わせへの対応
3.管理組合からの委託による、EVユーザーからの充電サービス使用料、電気代従量料金等の徴収およびNEC、電力会社への料金支払い
今回のプロジェクトが成功すれば、既存の分譲済みマンション居住者でも容易にEVに乗れるようになり、EV・PHVの普及に大きな後押しとなると考えられます。
(山内 博・画像:日産)