【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】第11回・前向きな割り切りが生んだ斬新ミニ。ホンダ・トゥデイ(初代)

丸形のヘッドランプと長方形のリアランプの組み合わせは、愛らしさとシンプルな道具感を両立。素材色の前後バンパーも使い勝手のよさと同時に、ボディの引き締め役になっています。

メーターフードとコンソールパネルを一体化したインテリアは極めて簡素ですが、ここにも優れた道具感が表現され、左右非対称のシートとともに、先進性をも感じさせます。

後に四輪デザイン室の室長となる木越由和氏による基本デザイン案は、当初非公式な企画としてスタートしたため、ほぼ独力だったといいます。

厳しい開発費の中、商用規格を逆手に取ったシンプルな発想は、明快な意図を持ったデザイナーによる一貫した仕事が結実したものなのかもしれません。

●主要諸元 ホンダ トゥデイ G(4MT)
型式 M-JW1
全長3195mm×全幅1395mm×全高1315mm
車両重量 550kg
ホイールベース 2330mm
エンジン 545cc 2気筒OHC
出力 31ps/5500rpm 4.4kg-m/4000rpm

(すぎもと たかよし)

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すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
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