【ネオ・クラシックカー グッドデザイン太鼓判!】第9回・人気者に隠れた先進セダン。トヨタ・カローラ 4ドアセダン(5代目)

ハイデッキのリアは、上下幅のあるコンビランプをブラックのパネルと一体化することで、フロントからの勢いをしっかり受け止めます。また、シンプルなフロントフェイスとリアの組み合わせは実に端正。

一方、上下で色分けをしたインパネは適度な先進感を持つもの。当時のトヨタは、多くのユーザーに「他社よりもチョット豪華で先進的」と思わせるセンスが抜群で、ブラウンの内装色もその一環です。

キースケッチを描いた飯田隆彦氏には、部分ではなくマスやシルエットで前進感などを見せるという意図が明快だったといいます。こういう時には、ほぼ間違いなくいいデザインが生まれると言えるでしょう。

80系は外国人デザイナーの関与が都市伝説的に語られますが、公式的には社内デザイン。つまり、それほどにまとまりのいいデザインだったいう証なのかもしれません。

●主要諸元 トヨタカローラ 4ドアSEサルーン(5MT)
型式 E-AE81
全長4135mm×全幅1635mm×全高1385mm
車両重量 870kg
ホイールベース 2430mm
エンジン 1452cc 4気筒OHC
出力 83ps/5600rpm 12.0kg-m/3600rpm

(すぎもと たかよし)

この記事の著者

すぎもと たかよし 近影

すぎもと たかよし

東京都下の某大学に勤務する「サラリーマン自動車ライター」。大学では美術科で日本画を専攻、車も最初から興味を持ったのは中身よりもとにかくデザイン。自動車メディアではデザインの記事が少ない、じゃあ自分で書いてしまおうと、いつの間にかライターに。
現役サラリーマンとして、ユーザー目線のニュートラルな視点が身上。「デザインは好き嫌いの前に質の問題がある」がモットー。空いた時間は社会人バンドでドラムを叩き、そして美味しい珈琲を探して旅に。愛車は真っ赤ないすゞFFジェミニ・イルムシャー。
続きを見る
閉じる