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「レーサー以上に神経質になって欲しい」by北野元
250km/hオーバーといえば、その速さはF1マシンなみだ。それだけのスピードを出すのに、クルマを見ればベルトは市販の3点式で、ロールバーも付いていない。シートのサポート、ステアリングにしても、超高速度コントロールにはあまりにもプアだ。
ボクもR380で何度も怖い思いをしているし、かつてのチームメイトが、ストレートで木の葉のように横転したのを目撃したこともある。とにかく、ワークスが技術の粋を結集して作り上げた純レーシングマシンですら、300km/h近い速度で走って怖くないことはない。たとえ4点式シートベルトを装着し、ロールバーを組み込んだところで気休めに過ぎないかもしれないが、これだけのマシンに乗るのなら、当然レーサー並みの神経を持っていてしかるべきではないか。
本当にみんな、もっと命を大事にしたほうがいい。とにかくスピードが高くなり過ぎている。最高速テストのやり方も、この辺でもう一度、考え直したほうがいいんじゃないだろうか。
「パワーに見合う足と空力が課題」by津々見友彦
今回は、ちょっと全開性能を発揮するには、コンディションが悪すぎた。が、クルマに限ってみれば、チューニングの熟成が進み、トラブルも少なくなってきている。いずれにしても今後の課題としては、パワーの上昇に見合うだけのタイヤと空力の煮詰めだろう。でなければ、パワーがあっても、バンクやストレートでアクセルを踏めないからだ。
サスはやたらハーダーにしない方がいい。谷田部のバンク内はかなり路面が荒れていて、固すぎると安定性に欠けてしまう。タイヤもVR規格はもちろんだが、ひと口にVRといっても、超高速安定性となると、クルマとのマッチングがかなり異なってくる。車重等も考慮しつつ、ベストマッチング・タイヤを探ることが必要だろう。