スカイラインRSターボ vs セリカXX 5M-Gはどっちが早い?!【1982年10月号より・後編】

初300km/hオーバーをジワジワ狙うセリカXX一気乗り【1982年10月号より 前編】」に続き、【後編】ではOPTと共同開発していたシグマ・オートモーティブ・セリカXXと、市販用パーツのテスト用として作られたフォルテクス・スカイタインRSの紹介です。

この年の年末に行われる1982年最高速決定戦へ向けての予選会(予想会?)として挑戦した最強軍団に興奮するゼィ!(←懐かしいOPT独自のフレーズです!)

 

OPTIONセリカXXターボ by シグマ・オートモーティブ

最高速=230.03km/h

最高速狙いには、やはり大容量タービンが不可欠だ

谷田部での最高速チャレンジに、目標を定めてチューニングしているOPTセリカだが、いくつかのトラブルやセッティング不足のため、今のところ満足な結果が得られていない。ドラッグでの惨敗でチューニング全体の見直しを行わねばならなかったが、残念ながら谷田部に間に合わなかった。

ファイナルはノーマルの3.727、タイヤはグッドイヤーNCTの225/50VR16(外径632mm)で、ギヤ比はノーマル。タイヤの空気圧を2.6kg/cm2に高め、エアクリーナーを取り外して周回路へと走り出す。

ブースト圧は1.0kg/cm2。A/R比を絞ったタービンはゼロヨンセッティングのままだが、タイムラグは比較的大きく、フルブーストには約4500rpmで達する。1周めは、バンク入口で5速4500rpm(約180km/h)から全開にしてみる。しかし、ブースト圧が次第に低下、0.80kg/cm2前後にダウンしてしまう。ブーストコントローラーを走りながら微調整し、1.0kg/cm2まで上げる。バンク出口で5750rpm、メーター読み230km/hで、早くも完全にサチュレートしてしまう。フルスロットルを続けてもスピードの上昇はまったくないが、このまま計測地点に突入する。LED表示のタコメーターは、5750rpmのセグメントを点灯したまま動かないので、車速の上昇は、スピードメーターに頼らざるを得ない。

結局、400mの計測区間を231km/hの表示で通過した。実測データは230.032km/h。

スロットルを大幅に戻し、2周めを100km/h前後で流して燃焼室を冷やすが、バックストレッチで180km/hまで上げ、計測地点前のバンクでフルスロットルを続けていると、デトネーションでエンジンを壊してしまうだろう。結局、スロットルをやや戻し気味にしながら計測地点を通過し、228.571km/hに終わることになった。

ファイナル変更やタイヤ変更、セッティングの煮詰め次第では、もう7~8km/h伸びる余地も残されてはいるが、260km/hオーバーの目標に達するには、タービンやインタークーラーなど、大幅な手直しが必要となるだろう。このままでは、予選通過は危ない。

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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