スカイラインRSターボ vs セリカXX 5M-Gはどっちが早い?!【1982年10月号より・後編】

 スカイラインRSターボ by フォルテクス

最高速=219.51km/h ゼロヨン=15.2秒

ボルトオンキットとして、ハイレベルの合格点が付く

フォルテクスRSターボは、最高速の記録狙いではなく、ストリート用ボルトオンターボの熟成が目的だ。FJ20の4気筒DOHC4バルブエンジンは、ボルトオンターボ装着のステージII仕様というわけだが、今回のセッティングはIHI製RHB6ユニットのエキゾーストハウジングを、やや大径に変更している。チャージ圧も従来の0.6kg/cm2から0.85kg/cm2へとアップ。さらに出力を高めるセッティングだ。

エンジン自体はノーマルだが、高過給圧の対策として、オリジナルの鍛造ピストンで圧縮比は7.6に下げている。ストリートユースでのレスポンスを考えると、この程度の圧縮比ダウンが限度だと思われる。これに、オリジナル水冷インタークーラーを装着しているのも、ターボキットメーカーとしてはHKS、シグマ・オートモーティブ以外、フォルテクスくらいである。エンジンではメタル系の弱いFJ20用に、アルミ製オイルパンを開発して装備している。容量的には、1Lアップだ。

フォルテクスターボの特徴は、ECCSエンジン用の燃料増量法としてマイクロコンピューターを使用している点だが、今回のパワーアップに対してプログラミング変更を施している。テストでは、ストリートターボの特徴を発揮して、3500rpmあたりでフルブーストがかかり、レスポンスのいい加速で周回路にコースイン。全開走行に突入する。

ノーマルの5速(0.83)にシフトアップしてフルスロットルにすると、タコメーターの針は6000rpmあたりから鈍くなるものの、徐々に上昇し6300~6400rpmまで達した。水温、油温は異常ない。3周の周回を終えた結果が、最高219.512km/h。ほぼ220km/hカーということができる。ストリートターボの性能としては、合格点だ。

ゼロヨンの加速データも計測してみたが、軽く15.2秒をマークした。最高タイムは14秒台に入っているというから、最高速、ゼロヨンとも申し分ない。これは、ストリート用のボルトオンキットとして、ユーザーすべてが買える性能である。ちなみにRSの記録は、HKSターボにより240.0km/hがマークされている。

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飛び飛びでご紹介している、この時代の最高速テスト模様。回を重ねるごとにジワジワと記録が伸び、チューニングメーカーやチューナーが競い合って280km/h、300km/hオーバーへと近づいてきています。

さて、国産車初の300km/hオーバーを記録した、あのマシン紹介は・・・まだもうちょっと、お待ちください!

[OPTION 1982年10月号より]

(Play Back The OPTION by 永光やすの)

この記事の著者

永光やすの 近影

永光やすの

「ジェミニZZ/Rに乗る女」としてOPTION誌取材を受けたのをきっかけに、1987年より10年ほど編集部に在籍、Dai稲田の世話役となる。1992年式BNR32 GT-Rを購入後、「OPT女帝やすのGT-R日記」と題しステップアップ~ゴマメも含めレポート。
Rのローン終了後、フリーライターに転向。AMKREAD DRAGオフィシャルレポートや、頭文字D・湾岸MidNight・ナニワトモアレ等、講談社系車漫画のガイドブックを執筆。clicccarでは1981年から続くOPTION誌バックナンバーを紹介する「PlayBack the OPTION」、清水和夫・大井貴之・井出有治さんのアシスト等を担当。
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