一時期爆発的な人気を誇ったステーションワゴン。しかし「便利なクルマ」は年々増え、現在ではミニバンやSUVが主流となり、存在感は徐々に薄くなってきています。
しかし、ステーションワゴンにはステーションワゴンだからこそできることがまだまだあります。たとえば、フォーマルとカジュアルが上手く融合したスタイルや、マンションなどに設けられた立体駐車場も安心して使える全高の低さと、その低さを活かした軽快なフットワークも魅力。さらに、最新のワゴンでは安全装備も充実させています。
■スバル・レヴォーグ
実用性と安全性を兼ね備えたワゴンとして真っ先に名前が挙がるのが「レヴォーグ」です。日本専売として開発されただけあって、ボディサイズは扱いやすく、また荷室は隅々まで余すことなく使える形状と広さを備えており、9インチのゴルフバッグ4個を横にして積めます。
搭載するパワートレーンは1.6Lまたは2.0Lの水平対向エンジンにCVTを組み合わせ、駆動方式は全車4WDを採用することで、積雪路でも頼もしく走ってくれます。
安全装備はスバルでお馴染みの「EyeSight」を搭載しますが、直近のマイナーチェンジで新たにツーリングアシストを搭載。区画線や先行車を検知しつつ、0-120km/hもの速度域でアクセル/ブレーキ/ステアリング操作をアシストし、ドライバーの疲労を軽減します。
■フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
ドイツ車の中では比較的リーズナブルなブランドであるフォルクスワーゲン。同ブランドの基幹モデルである「ゴルフ」をベースとしたワゴンが「ゴルフヴァリアント」であり、荷室容量は通常で605L、後席背もたれを倒すことで最大1620Lを確保します。
唯一300万円を下回る「TSI Comfortline(293万9000円)」の場合、搭載するエンジンは1.2L直4ターボと小さめですが、1400~4000rpmにかけて17.8kgmを発揮するほか、JC08モード燃費は18.6km/Lと効率の高さも魅力。
最近のマイナーチェンジでは渋滞時追従支援システムの「Traffic Assist(トラフィックアシスト)」を標準で搭載するなど、安全性にも磨きが掛けられています。
■マツダ・アテンザワゴン
スタイリッシュなデザインとドライバーとの一体感を信念に開発するマツダのフラッグシップである「アテンザ」にもワゴンの設定があります。その荷室容量は通常時で506L、後席背もたれを倒せば最大で1648Lを確保します。
ちなみに、同社のウリであるディーゼルエンジンですが、300万円を下回るグレードはいずれも2.0Lのガソリンエンジンを搭載します。最大トルクこそディーゼルに差を付けられていますが、燃費は17.4km/Lと健闘。
オススメは「20S PROACTIVE(286万7400円)」で、ミリ波レーダーで先行車を検知して追従する「マツダ・レーダー・クルーズ・コントロール」のほか、後退時の自動ブレーキが搭載されるオプション(7万5600円)が選択可能。
(今 総一郎)