燃費志向のクルマということを忘れさせるドライバビリティ【MINI クロスオーバーPHEV 試乗】

通常のMINIと同じように、最小のロール角でキビキビ走るゴーカートフィーリングはPHEVになっても健在である。

市街地走行、郊外走行、ワインディング走行のどれでもアクセルペダルをオフにするとすぐにエンジンは止まる。高速道路でもあまりスピードが高くなければ止まる。もちろんクルマはそのまま走って行く。一定スピードで巡航する場合にはガソリンエンジンではなく、電気モーターでそのスピードを維持するだけの力で走れるからだ。

もちろん設定によってエンジンの止まり方は変わる。ダッシュボード中央の下側にある「スタート・ストップ」用のスイッチは通常赤色であるがPHEVでは黄色になる。この左側にタンブラー型の「eドライブ」と書いてあるドライブモード切り替えスイッチがあり、上中下の3段階に切り替えることができる。

上は「eパワー」でなるべくエンジンをかけないで走るモード。アクセルペダルをある程度以上に踏み込むとエンジンがかかるが、通常はバッテリーからの電気によりモーター駆動で走る。これが最高スピード125km/h出せるモードだ。

中はスタートスイッチを押したらデフォルトで「オートeドライブ」モードになる。ガソリンと電気のどちらにも偏らずに燃費良く走れるモードだ。

下は「セーブ」モード。これは「eパワー」とは反対に電気を使わずに、逆にバッテリーに貯めながら走るモードだ。深夜に帰宅する際にエンジン音が響かないよう電気で走ろうというときに、事前に貯めておくときなどにこのモードを使う。「セーブ」にしておくと徐々にバッテリーのSOC(バッテリー残量)が増えていく。

6速ATセレクターの下にも横に動かすスイッチがある。左に動かすと「スポーツ」、中は「ミッド」、右は「グリーン」と呼ばれる。「スポーツ」ではエンジンが止まることなくパワフルに走るし、高速道路を走行していても「セーブ」と「スポーツ」の組み合わせで、SOC50%まではすぐに上がる。