アウディが女性型ロボットとドライブする動画を公開した理由とは?

そうしたなか、AIを使った自動運転車を開発中のアウディが、この「ソフィア」を助手席に乗せて会話しながらハイウエイを自動運転で走行する様子を収めた動画を公開しました。

おりしも、アウディのルパート・シュタートラー会長が6月7日、ジュネーブで開催された国連会議「AI for Good Global Summit」で、AIの可能性についてスピーチした際、「アウディの目標は、人と機械の完全な協力関係を構築すること」と説明。

その中で、「自動運転は人々の暮らしを大幅に向上させる機会を提供するものの、過度な期待は禁物」と警鐘を鳴らしています。

同社ではこの先、AIによる自動運転車が普及する過程で、AIが及ぼす社会的影響について、2年間かけて科学・ビジネス分野で国際的に活躍する専門家らとのネットワークを構築しており、既に「自動車産業だけでは自動運転に関する倫理的、法的問題を解決することはできない」との結論に至っているそうです。

AIロボットについても同様で、進化を続け、やがて自らの考えを持つようになり、さらにはロボット自身が様々な判断を下せるレベルに進化した時点で、人間はどのようにロボットに接するべきなのかといった課題に直面することになるといいます。

今回アウディが公開した動画は、高度なAIロボット、自動運転車、そしてステアリングから手を離して会話するドライバーを登場させることで、そうした近い将来に起こり得る課題を連想させる作品に仕上げているようです。

Avanti Yasunori・画像:Audi/HANSON ROBOTICS)

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HANSON ROBOTICS
http://www.hansonrobotics.com/

この記事の著者

Avanti Yasunori 近影

Avanti Yasunori

大手自動車会社で人生長きに渡って自動車開発に携わった後、2011年5月から「clicccar」で新車に関する話題や速報を中心に執筆をスタート、現在に至る。幼少の頃から根っからの車好きで、免許取得後10台以上の車を乗り継ぐが、中でもソレックスキャブ搭載のヤマハ製2T‐Gエンジンを積むTA22型「セリカ 1600GTV」は、色々と手を入れていたこともあり、思い出深い一台となっている。
趣味は楽器演奏で、エレキギターやアンプ、エフェクター等の収集癖を持つ。
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