3番手を走行していたベッテル選手にも苦しいアクシデントがふりかかります。スタート直後のターン1でフェルスタッペン選手に接触されフロントウイングにダメージを負ってしまったのです。その影響で5周目にパーツが落ち、フロントウイングの交換を余技なくされてしまいました。
この緊急ピットインにより、ベッテル選手は18番手まで順位を落とします。さすがに今回はノーポイントで終わるかなと思っていましたが、上位勢とは異なる2ストップ作戦で、ファステストラップを刻みながらどんどん追い上げてくるではありませんか! 最終スティントでは気が付けば6番手まで浮上。前を走るフォースインディアの2台にせまります。
そしてベッテル選手は65周目にオコン選手、68周目にペレス選手をパスし4番手でレースを終え、12ポイントを獲得。ドライバーズチャンピオンシップ争いのトップを守りました。
そんなベッテル選手と戦ったのが可愛らしいピンク色のマシンをドライブする、フォースインディアの2人。8番手、9番手スタートだったセルジオ・ペレス選手とエステバン・オコン選手は素晴らしい走りで終盤、4番手、5番手まで浮上。3番手のリカルド選手にプレッシャーを掛け続けました。
結果的にベッテル選手の速さには叶わず、5番手、6番手でレースを終えましたが、存在感をばっちり示し、カナダGPでどのチームよりも輝いて見えたのは私だけ!? 今後のレースも期待できそうですね。
70周の戦いを制したのは、ポールポジションからスタートしたハミルトン選手。独走状態の完璧な走りで王者の貫録を見せつけました。2番手にはチームメイトのボッタス選手、3番手にリカルド選手が続きました。
私が何よりも楽しみにしているのが表彰式。ドライバーの素顔が垣間見えるのがたまらないのですが、その表彰式であのドライバーがやってしまいましたよ……。
表彰式前、リカルド選手がポディウムに登場すると、大きな歓声ととも「シューイ!シューイ!」とシューイコールが沸き起こりました。
シューイとは靴に飲み物を入れて飲むという、オーストラリアでお祝いなどの特別な時に行われる儀式なのですが、昨年のドイツGPでリカルド選手が履いているレーシングシューズにシャンパンを入れて飲みだしたのがことの始まり。リカルド選手=シューイという方程式ができあがりました。
今シーズンポディウムにのっていたものの、まだシューイを披露していなかったリカルド選手。さすがに勝つまではやらないかなー、なんて思っていましたが、ファンの方の声に押され、3位だというのにシューイをやってしまったのです!
しかも、インタビュアーのパトリック・スチュワートにも勧めているではありませんか! スチュワートは「いいね!」と快くリカルド選手のレーシングシューズでシューイを披露し、会場は大盛り上がり! リカルド選手は両足シューズがない情けない姿になってしまいましたが(笑)、最高に楽しい表彰式でした!!
今シーズンはあと何回、リカルド選手のシューイを見ることができるのでしょうか。楽しみが増えました。今度は3位ではなく、ポディウムの真ん中でのシューイを見たいですね!
カナダGPリザルトは以下の通りです(ポイント圏内のみ)。
順位/No./ドライバー/チーム
1/#44/ルイス・ハミルトン/メルセデス
2/#77/バルテリ・ボッタス/メルセデス
3/#3/ダニエル・リカルド/レッドブル
4/#5/セバスチャン・ベッテル/フェラーリ
5/#11/セルジオ・ペレス/フォースインディア
6/#31/エステバン・オコン/フォースインディア
7/#7/キミ・ライコネン/フェラーリ
8/#27/ニコ・ヒュルケンベルグ/ルノー
9/#18/ランス・ストロール/ウィリアムズ
10/#8/ロマン・グロージャン/ハース
(yuri)