クラリティエレクトリック(EV)は、完全充電方式の電気自動車で、リヤシート後ろにバッテリーを搭載するので、フューエルセル同様にラゲッジスペースが圧迫されています。ただし、ボンネット下はモーターしか収まっていないので、大きな隙間ができてしまっています。この隙間は現在のところ利用される予定はありません。
モーター出力は161馬力/300Nmで、航続距離は80マイル(約129km)以上となっています。リヤセクションが重い設計ですが、比較的安定感のあるハンドリングが特徴的でした。
クラリティプラグインハイブリッド(PHV)は、フィット用の1.5リットルエンジンと2モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドで、ガソリンタンクはリヤシート下に納められるため、非常に広いラゲッジスペースが確保できています。
モーター出力は181馬力/315Nmですが、これにエンジン出力もプラスされるので走りは3兄弟中もっともパワフルですが、エンジンが始動すれば二酸化炭素を発生しますし、EVやFCのような静かさはありません。バッテリーのみでの航続距離は42マイル(約68km)と発表されています。
3種に乗ってみるとそれぞれが異なる個性を持っていました。静かで航続距離が長いFC、自宅でのエネルギー充填が可能なEV、ガソリンスタンドで気軽に燃料を入れられるPHVとそれぞれ利点があります。
逆に欠点を見ると、FCは水素ステーションが少ない、EVは航続距離が短い、PHVはエンジンが始動すると二酸化炭素を発生させます。これらの欠点をいかに克服するかが、どのタイプが市民権を得られるかを決めることを再認識しました。
(諸星陽一)