ホンダミーティングで「クラリティ3兄弟」を試す【ホンダ クラリティ試乗】

クラリティエレクトリック(EV)は、完全充電方式の電気自動車で、リヤシート後ろにバッテリーを搭載するので、フューエルセル同様にラゲッジスペースが圧迫されています。ただし、ボンネット下はモーターしか収まっていないので、大きな隙間ができてしまっています。この隙間は現在のところ利用される予定はありません。

モーター出力は161馬力/300Nmで、航続距離は80マイル(約129km)以上となっています。リヤセクションが重い設計ですが、比較的安定感のあるハンドリングが特徴的でした。

クラリティプラグインハイブリッド(PHV)は、フィット用の1.5リットルエンジンと2モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドで、ガソリンタンクはリヤシート下に納められるため、非常に広いラゲッジスペースが確保できています。

モーター出力は181馬力/315Nmですが、これにエンジン出力もプラスされるので走りは3兄弟中もっともパワフルですが、エンジンが始動すれば二酸化炭素を発生しますし、EVやFCのような静かさはありません。バッテリーのみでの航続距離は42マイル(約68km)と発表されています。

3種に乗ってみるとそれぞれが異なる個性を持っていました。静かで航続距離が長いFC、自宅でのエネルギー充填が可能なEV、ガソリンスタンドで気軽に燃料を入れられるPHVとそれぞれ利点があります。

逆に欠点を見ると、FCは水素ステーションが少ない、EVは航続距離が短い、PHVはエンジンが始動すると二酸化炭素を発生させます。これらの欠点をいかに克服するかが、どのタイプが市民権を得られるかを決めることを再認識しました。

(諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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