ただし、ボディ自体は緩やかなウエッジの素直なもので、フロントグリルも奇をてらわないシンプルな構成。さらに、ダーク処理したリアランプがしっかり後端を締めていて、必要以上のアグレッシブさは感じません。
視認性に優れた大型メーターが特徴的なインテリアは、端正さと同時に、ボディ同様の力強さを表現しています。
開発当初は従来のスッキリ路線で進んでいたところ、これではいけないと仕切直しのスケッチを提案したのは、後にデザイン部長を務めた当時若手の水谷弘氏とされています。独特のボディは、社内クリニックで珍しく評価が二分。けれども、0点もあれば満点もあるという意見に、若いデザイナー達は逆に手応えを感じたといいます。
近年でもi(アイ)やデリカD:5、RVRなど、独自の個性を発揮している三菱車の転機が、実はこの時期にあったのかもしれません。
●主要諸元 三菱 ギャラン VR-4(5MT)
形式 E-E39A
全長4546mm×全幅1695mm×全高1440mm
車両重量 1340kg
ホイールベース 2600mm
エンジン 1997cc 4気筒DOHC 16バルブ
出力 205ps/6000rpm 30.0kg-m/3000rpm
(すぎもとたかよし)