自動運転へ向けチーム日本のきっかけとなるか? 群馬大学と東洋電装、自動運転に関する産学連携の新たな取り組みを発表

ルーフに全方位カメラ、GPS、全方位レーザー、ジャイロセンサーなどこの車両を機械で動かすためのセンサー類が取り付けられ、普通のクルマでないことは明らかです。

運転席は自動運転のためのスイッチ類がダッシュボード上に追加されているのとモニター、キーボードが搭載されている程度です。

    

トランクルームにはコンピュータ本体、Gセンサー、100V電源インバータ、車両を動かすためのユニットなどが搭載されています。

実際に人間に変わって車両を動かしているのは、例えばステアリングは車両の電動パワステのユニットを利用しているとのこと。

実際に自動で動き出すと発進や減速は思ったより滑らか。標識や信号に読み取って必要に応じて発進、加速、減速、停止を行ってくれます。

実際に「止まれ」の標識に従って白線で停車。しかし、停止線からでは左右の見通しが悪いシーンでは、普段の運転と同じように左右の見通しが利くところまでじわりじわりと進み、見渡すことができ左右の安全が確認できてからきちんと加速しだすという人間と同じ動きをしていました。

ただし、ステアリングの制御はぎこちないところが見受けられます。

交差点を曲がるときなど、ステアリングの動きがカクカクとしていて、実験として乗っていなければ不安に、または不快に思う程です。

どうやらその原因は、トレースすべきラインに乗せようとステアリングの制御が少しずれただけでも修正を左右に細かく入れてしまうせいのようです。

こういったクルマの動きの制御に関するノウハウは自動車関連のメーカーにあっても、大学には蓄積されているものではない、というわけでしょう。

試乗を終え、得意分野がまったく違う大学とメーカーで提携することの意味がよくわかりました。企業間でも不得意分野で補完するための提携はありますが、それ以上の補完関係ができるというわけですね。

まさに、世界的に開発を進めるべき分野で、日本の技術力を産学のみならず政府や自治体なども手を組んでいくべきなんだと実感しました。

群馬大学、東洋電装だけでなく、チーム日本で力を合わせたイノベーションがより必要だと思います。今回の提携発表が、それを触発する起爆剤になることを期待したいと思います。

(clicccar編集長 小林 和久)

この記事の著者

編集長 小林和久 近影

編集長 小林和久

子供の頃から自動車に興味を持ち、それを作る側になりたくて工学部に進み、某自動車部品メーカへの就職を決めかけていたのに広い視野で車が見られなくなりそうだと思い辞退。他業界へ就職するも、働き出すと出身学部や理系や文系など関係ないと思い、出版社である三栄書房へ。
その後、硬め柔らかめ色々な自動車雑誌を(たらい回しに?)経たおかげで、広く(浅く?)車の知識が身に付くことに。2010年12月のクリッカー「創刊」より編集長を務める。大きい、小さい、速い、遅いなど極端な車がホントは好き。
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