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CRキャブの気難しさがたまらない
ホンダN500 by 稲葉自動車
最高速=139.53km/h
70年代前半のKハイパワー狂騒の火付け役になったのが、ホンダN360だ。当然ながら、ミニカーレースでも常勝マシンで、ホンダワークスのRSCまで登場したほどだった。今回テストしたN360に搭載されたエンジンも、ミニカーレース全盛時期にチューニングされた、500ccのフルチューン版。圧縮比が高く、セルスターターもやっと回るほど。さらに、レース用サイドポートのCRキャブは気難しく、まさにレーシングカーである。アイドリングもカブリを防ぐため、2000rpm近くにセットされ、ストレート・エキゾーストからのサウンドは、3Lターボより大きいほどだ。クランクまで軽量されたエンジンのフケはさすがで、7000~8000rpmまでポンポンとハネ上がる。
ミッションは完全なレース用クロス5速が組み込まれているので、スタートで引っ張る以外は、すぐに5速にホールドされる。サスペンションも完全なレース用が組まれているため、バンク進入時も実に安定している。5速でも1万rpm近くにピーク設定されたミッションだが、プラグの設定ミスか、8000rpm近くでバラつく。アクセルを全開にしても8000rpm近くでタコメーターの針が大きく振ってしまうので、気持ちアクセルを閉めバラつきのない回転で安定させて、計測地点を通過する。フロントスポイラーとリヤスポイラーの効果は大で、ストレート走行も楽だ。
最高速は139.53km/h。ミニカーレース全盛時代の、富士逆回り4.3kmのラップからみて、第1コーナー直前では150km/h以上は出ていたと予想され、目標達成はならなかった。
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最高速やゼロヨンは、ZやGT-Rだけのものではありません。まさに、チューニングの面白さがこの記事にはたくさん詰まっていました。やっぱり、チューニングは魅力的ですね!
[OPTION 1983年8月号より]
(Play Back The OPTION by 永光やすの)