空気を入れないからパンクしない、新しいタイヤの形を提案するエアフリーコンセプトの乗り心地は?

ブリヂストンはエアフリーコンセプトと呼ばれる空気の入っていないタイヤの開発を進めています。そうした開発のなかで生まれた自転車の試乗を行いました。

今回は自転車で試乗となったエアフリーコンセプトですが、ブリヂストンは将来的にはその採用幅を広げていきたいとしている、とても先進的な分野です。

タイヤの構造は、中心に近い黒い部分が従来のホイールにあたり、赤い部分が従来型タイヤの空気の役割を担う特殊形状のスポーク、もっとも外周の黒い部分がトレッド面ということになります。

赤い部分のスポークの角度を変えることで乗り心地などが簡単に変更できること、色を自由に選べることなどが特徴となりますが、なんと言っても大きなメリットはパンクすることがなく、空気圧の管理が不要でメンテナンスフリーとなることです。

今回試乗したこの自転車は、ちょうど空気をパンパンに入れたような感覚でこぎ出しがとても軽くなっています。ところが、乗り心地は決して空気圧が高いような感じではなく、適度な柔らかさを持っているところがいいです。全体的には転がり抵抗が低くて、乗り心地もいいという感じです。ただし、トレッド面が薄いのでコーナリングするとグリップが急激に落ちることがありました。

エアフリーコンセプトの自転車は2019年に発売される予定になっています。しかし、このままの形ではないとのこと。

この自転車はエアフリーコンセプトを強調するために、タイヤ以外の部分は非常にベーシックな仕様となっていましたが、実際に発売されるものは、さまざまな部分に先進的な技術が使われることになるといいます。ブリヂストンはチェーンの代わりにベルトを使う「アルベルト」という動力伝達機構を持っていますが、それとはまた違う何かが使われるような話もありました。2019年がちょっと楽しみです。

(諸星陽一)

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諸星陽一

1963年東京生まれ。23歳で自動車雑誌の編集部員となるが、その後すぐにフリーランスに転身。29歳より7年間、自費で富士フレッシュマンレース(サバンナRX-7・FC3Sクラス)に参戦。
乗って、感じて、撮って、書くことを基本に自分の意見や理想も大事にするが、読者の立場も十分に考慮した評価を行うことをモットーとする。理想の車生活は、2柱リフトのあるガレージに、ロータス時代のスーパー7かサバンナRX-7(FC3S)とPHV、シティコミューター的EVの3台を持つことだが…。
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